アメリカ上院でTikTok禁止法案が可決 バイデン大統領が署名すれば成立

アメリカ連邦議会上院で、TikTokのアプリ配信を事実上禁止する法案が4月23日に成立した。

Bloomberg(外部リンク)など複数メディアが報じている。

この法案は、運営会社である中国・Bytedanceが、アメリカでのTikTokの事業を、最長1年以内に中国などアメリカと“敵対する外国”の企業以外に売却しなければ、国内でのアプリ配信を禁止するというものである。

大統領が署名すれば、事実上Bytedance社のTikTokアプリ配信が禁止に

今回のTikTok禁止法案は、3月5日にアメリカ合衆国下院のエネルギー・商業委員会に提出され、7日に賛成50、反対0の全会一致で可決。13日に下院で可決していたもの。

当初、売却の猶予期間は約半年だったが、4月20日にアメリカ連邦議会下院が法案を修正し、1年に変更された。

法案はバイデン大統領の署名すれば成立。なお、バイデン大統領は署名する意向を示しているという。

こうした動きを受けて、TikTok側は4月18日に公式Xを通じて、「下院が重要な対外・人道支援という隠れ蓑を利用して、1億7000万人のアメリカ人の言論の自由を踏みにじり、700万社の企業を壊滅させ、24ドルを拠出するプラットフォームを閉鎖する禁止法案を再び妨害しようとしているのは残念です。米国経済に年間10億ドルをもたらします」と声明を発表している。

中国への情報漏洩を懸念する米政府のTikTokへの対応

TikTokを巡ってアメリカでは2020年、ドナルド・トランプ前後大統領が、中国政府にデータが渡るリスクを懸念し、TikTokとメッセージアプリ・WeChatのアメリカ国内での使用を禁止する大統領令を発令。

この大統領令は、TikTok側が連邦地方裁判所に一時差し止めを要求し、これが認められたため、実施されないまま2021年にバイデン政権によって撤回されていた。

なお、2023年5月には、アメリカ・モンタナ州で同アプリのダウンロードを禁じる「TikTok禁止法」が成立。ただし、こちらも同年12月に同州の裁判所が施行の仮差し止めを命じている。

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