沖縄戦「永遠の語り部」に 32軍壕 第一坑口を初めて確認

沖縄戦を伝える戦跡として保存・公開に向けた調査が進む首里城地下の第32軍司令部壕について、県はこれまで確認できていなかった、第1坑口の正確な位置を確認したと発表しました。

沖縄戦を前に、旧日本陸軍が首里城地下に築いた第32軍司令部壕は、牛島満中将らが県民に多くの犠牲を出した作戦を練った場所で、県は重要な戦跡として2026年の公開を目指し調査を進めています。

昨年度の調査について県は今月23日、報道各社に結果を報告し、第32軍司令部壕の中でも最も長く中心の坑道に通じる第1坑口の正確な位置を確認したと発表しました。

地表からおよそ4メートルほどを掘削していったところ、柱や床板などが出土したことから第1坑口の確認に至りました。

坑口の天井部分は崩落し、支柱や梁などの構造物はほとんどが消失していると考えられています。

また木曳門周辺の地下に当時、作戦室などがあったとされる、壕の中心部付近の存在も確認できたということです。

沖縄戦当時、日本軍の基地建設に動員された経験を持ち、第32軍司令部壕の保存・公開を求めて活動する瀬名波栄喜さんは、調査に重要な進展があったことについて、「保存公開に向けて前進した」と高く評価しています。

第32軍司令部壕の保存・公開を求める会 瀬名波栄喜さん
「第1坑道の入り口が確認されたということを聞き、それに胸がわくわくして参りました。(32軍司令部壕は)永遠の沖縄戦の語り部となる。県にはその務めを果たしてもらいたい。我々はいくらでも協力していきたい」

県は引き続き壕の中心部で未発掘部分のボーリング調査などを行い、壕の保存・公開に向けた調査に取り組む方針です。

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