「この子を飼いたい!」 迷い犬や遺棄犬保護、那覇市で譲渡会 新たな家族と生活へ

[うちな~う](87)

譲渡会で保護犬と触れ合う来場者の女性(右)=7日、那覇市・パレットくもじ前広場

県の施策や動物愛護団体の尽力で、譲渡適性のある犬の殺処分数(2023年度)が今年4月、初めてゼロになった。

 動物取扱業の登録や管理、啓発事業を行う県動物愛護管理センター(南城市大里)は、迷い犬や遺棄された個体を保護する。同センターの我喜屋利紀主任によると「病気やけがが原因で死んだ個体は、殺処分の数から除かれる。一定期間収容された後、処分されていた保護犬だったが、生存機会向上のため期限延長の対応をしている」という。

大部屋で収容されている保護犬。職員の気配を感じると、鉄格子に顔を近づけ、甘えるしぐさを見せるという=16日、南城市大里の動物愛護管理センター

  管理センターで収容されていた犬を引き受けるのは、那覇市首里崎山町のNPO法人「ワン’sパートナーの会」。毎月第1日曜日、久茂地のパレットくもじ前広場で保護犬の譲渡会を開く。回を重ね、認知度が上がっている。

保護犬を迎え入れたいと、正式譲渡前のトライアル期間申込用紙に署名する女性(左)=7日、那覇市・パレットくもじ前広場

 会場では、特設のドッグランの設置、県獣医師会のブースでは犬の健康相談も実施され、多くの人でにぎわう。同会の比嘉ゆかり事務局長は「犬との相性など審査を経て希望者へ正式譲渡する」と話す。

毎月第1日曜日、パレットくもじ前広場で行われる保護犬の譲渡会=7日、那覇市久茂地

 市内から3歳の息子と訪れた上原康蔵さん(35)は「言葉を発することのない動物のことを考え、社会的責任を感じ譲渡会へと足を運んだ。息子と相性の合う子がいれば」と、子犬を抱き締めるわが子の姿に目を細めた。(写真部・竹尾智勇)

「この子を飼いたい!」。譲渡会で保護犬を抱き締める親子=7日、那覇市・パレットくもじ前広場
動物愛護管理センターでは、遺失物として警察から届けられたウサギも保護されている=16日、南城市大里

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