5年後に地球へ最接近–小惑星「アポフィス」の探査ミッションを複数企業が提案

米Blue Originなど複数の企業が、5年後に地球に接近する小惑星「Apophis」の探査ミッションを提案している。海外メディアのSpaceNewsが報じている

Apophisは直径350mの小惑星で、2029年4月に地球の静止軌道(高度約3万6000km)よりも近くを通過すると予測されている。このような小惑星の接近は1000年に一度しか起きないとみられている。なお、地球との衝突の可能性はないとされている。

米航空宇宙局(NASA)は、小惑星「Bennu」のサンプルリターンミッションを成功させた「OSIRIS-REx」が、後継ミッション「OSIRIS-APEX」としてApophisを探査するBlue Originは宇宙船「Blue Ring」で地球に最接近する前のApophisにペイロードを送ることを提案している。

カナダのスタートアップ企業Exploration Labs(ExLabs)は、ジェット推進研究所(JPL)が研究している「Distributed Radar Observations of Interior Distributions(DROID)」と呼ばれるレーダー観測装置の打ち上げを提案している。ミッションでは2機のキューブサットをApophisに送り、小惑星の内部を「CATスキャン」で探査する予定だ。

OSIRIS-APEXでは、試料(サンプル)は回収しないが、推進器(スラスタ)でApophisの表面の岩石や塵をかき混ぜて観察するという(出典:NASA Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)

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OSIRIS-APEXミッション
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