クマ対策に緩衝帯を整備 大槌町、移動経路のやぶ刈り払う

緩衝帯整備のイメージ

 岩手県大槌町は2024年度、クマによる人的、物的被害を未然に防ぐための対策に乗りだす。町が建設、林業事業者と連携して、山と人里との緩衝帯を整備。野生動物の移動経路となるやぶを刈り払うことで、住宅地や学校付近への出没や被害防止を図り、事業者の仕事創出にもつなげる。クマとのすみ分けや共存を主目的とした全町的な取り組みは県内でも珍しく、成果が注目される。

 取り組みでは町内9事業者が連携体制を構築し、代表事業者のおおつち百年之業(ひゃくねんのぎょう)協同組合(佐々木重吾理事長)が緩衝帯整備などの業務調整を担う。23日は町と同組合の連携協定締結式が行われた。

 平野公三町長は「官民連携で野生鳥獣の被害対策を強化し、課題解決につなげたい」と期待。佐々木理事長は「技術を持つ町内事業者が幅広く関わる仕組みをつくりたい」と強調した。

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