肉の脂身だって食べていい?肉や魚、バターやオイルをたっぷり食べていい理由とは?【炭水化物の話】

肉類・魚介類はたっぷり食べていい

かつて、飽和脂肪酸を多く含む肉やバターなど動物性脂質の摂り過ぎは動脈硬化の危険性があり、心筋梗塞や脳卒中などを発症しやすくなると考えられていました。しかし、2015年、アメリカの食事摂取基準が改定され、「食べる油は制限しません。なぜならば、それを控えても心臓病の予防にも肥満の予防にもつながらないからです」と明記されました。

また、日本人での飽和脂肪酸摂取と脳卒中との関係性を考えれば、肉やバターといった動物性脂質もしっかり食べていいのです。魚の油も同様です。「オメガ3(DHAやEPA)」という魚の油に関する調査で、しっかり摂ったグループは控えたグループより生存率が高かったという研究結果もあります。

肉類や魚介類の主な栄養素はタンパク質と脂質です。タンパク質は体をつくるもとになるもので、脂質は糖質以上に有用なエネルギー源であり、また、細胞膜やホルモンを生成する材料です。ダイエットでは避けられがちな肉の脂身ですが、それらの働きを助ける役目がありますので、むしろ積極的に摂るべきです。ただし、ソーセージやベーコン、ちくわといった肉や魚の加工品の中には糖質や塩分含有量が多いものがありますので、食べる際は栄養成分表示を確認することが大切です。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田悟

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田 悟

昨今、健康法やダイエット法として“糖質制限”が浸透し定番となっていますが、一度やってみたものの挫折してしまう人も多く「一生続けるのは現実的じゃない…」「やっぱり主食を食べたい」という声も少なくありません。 本書では『炭水化物』をテーマに、ガマンせずに食べながら痩せる方法や生活習慣病の予防に役立つ知識を、糖尿病専門医でもある著者が図解でわかりやすく解説します。 すべてのカギは『血糖値』。血糖値と聞くと、糖尿病など生活習慣病の人だけが気にするべき数値のようなイメージがあるかもしれませんが、健康診断の数値にあらわれない『食後高血糖』は成人の2人に1人に起きているといわれており、誰もが他人事ではない数値です。 炭水化物を食べながらでも血糖値を上げない食事法を具体的に紹介し、「GI値の低い食品って太りにくいの?」「外食のときはどうすればいい?」「食べ過ぎてしまったら翌日は食事を抜くべき?」といったギモンにも医学的に回答。さらに「白米よりチャーハンのほうが太らない」「油はたくさん摂ってOK」「朝のフルーツはNG」など、今までの固定概念を覆す新常識も。 最先端の研究にもとづいた食事法で、炭水化物や糖質を「食べられない」ではなく「どう工夫して食べるか」がわかる、楽しく一生続けられるメソッドが満載の一冊です。

© 株式会社日本文芸社