黎智英氏、従来の民主派路線を重視

外国勢力との共謀罪に問われた壱伝媒集団の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏と『りんご日報』関連会社3社に対する公判が4月17日、公判62日目を迎えた。18日付香港各紙によると、5人目の「共犯証人」である法務補佐の陳梓華氏は、黎氏が「国際ライン」を主導し、国際ラインと「攬炒派」(破壊活動派)を団結させ、主流の若者の意見を従来の民主派の意見に戻して抗争を進めることを望んでいたと証言した。陳氏に若者たちが選挙活動にもっと集中し、人々の支持を集めるように促してくれることを望んでいた。陳氏は、黎氏が逃亡犯条例の改正反対運動の勢いを継続し、民主派票を集中させ、民主派の立法会議席を固めるために予備選挙の実施を検討していたと指摘した。

陳氏は、李玉軒氏が2019年の区議会選挙前に「選挙監視団」を組織し、英国上院議員のオルトン卿や英国、オーストラリア、日本、米国、その他の外国国会議員を香港に招くと述べたと証言。黎氏の補佐のマーク・サイモン氏は「オルトン卿も来ることを知った黎氏は非常に興味を持っている」と述べ、さらに「我々は強力に支援する」と表明し、その後、李氏に50万ドルを送金した。

2019年11月27日に陳氏が黎氏と会談した際、黎氏は「本土派」(排他主義)勢力への支持を表明したが、歴史的経験から「若者が独自の政党を結成すると社会運動を変質させる」ことから、黎氏は従来の民主派の思想パターンで抗争を推進すべきとの見方を示していた。黎氏は「街頭」(街頭デモ参加者)、「議会」(区議会議員と立法会議員)、そして「国際」(国際ロビースト、海外の抗議活動参加者、現地の支援を求める人々)の「アイアン・トライアングル」を構築したいと考えていた。

陳氏は2019年11月から12月にかけて沙田のグランド・ハイアット・ホテルでサイモン氏と面会した。サイモン氏は、彼と黎氏は「選挙監視団は良い仕事をしており、これが私たちが望んでいることだ」と語った。サイモン氏は「多くの民主派関係者は私(サイモン氏)や上司(黎氏)に連絡して資金援助を求めるだろう。私の上司は非常に金はあるが、だからと言って誰にでも資金援助するというわけではない」と述べた。サイモン氏はまた「誰もが新聞を読むわけではない」として、各国はすでに香港の状況を非常に注目しており、広告を載せて目を引く必要はなく、各国の当局者や政府は香港の実情を知りたがっているため、国際的なロビー活動が必要であると指摘した。サイモン氏は「民主派が選挙に勝つ」というのが趨勢だと信じており、彼と黎氏は逃亡犯条例の改正反対運動の勢いを継続し、「立法会選挙でも勝つ」ことを望んで、予備選挙を検討し始めたという。

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