STYLY、KDDI、J.フロント リテイリングが“空間コンピューティング時代”に向けた共創型ラボ発足

株式会社STYLY、KDDI株式会社、J.フロント リテイリング株式会社は、共創型オープンイノベーションラボ「STYLY Spatial Computing Lab(スタイリー スペーシャルコンピューティング ラボ、以下SSCL)」を発足した。SSCLは空間コンピューティング時代の事業創出を目的としたラボで、XRプラットフォーム「STYLY」を活用した『Apple Vision Pro』向けのユースケースなどの研究・開発を目的としている。あわせて、戦略パートナーとして、WEBメディア「WIRED」が参画することも発表された。

発足の背景には、Appleの空間コンピュータ『Apple Vision Pro』がアメリカで発売されたことで、今後XRデバイスの革新や普及が進むと予想されること、XR技術を軸とした空間コンピューティング市場のさらなる拡大が見込まれることがある。

iPhoneの登場によりライフスタイルが大きく変化したように、『Apple Vision Pro』をかけながら空間ディスプレイを身にまとって生活する空間コンピューティング時代には、これまでにない大きなライフスタイルの変化と、ビジネスチャンスが到来すると予想される。

一方で、複雑な空間コンピューティングという概念の理解や、体験デザイン~開発/実装のハードルの高さなど、未踏領域である空間コンピューティング市場への参入障壁は高く、事業者が1社単体で参入するにはリスクが高い状況だ。そこで空間コンピュータの可能性を探るべく、発足企業の強みや知見を活かして研究開発をおこなっていくために、SSCLが発足されたという。

SSCLは、XRプラットフォームや編集力、エンタメコンテンツやメタバースに関連する技術力、顧客接点といったそれぞれの企業がもつ強みを掛け合わせ、「『Apple Vision Pro』における新たなライフスタイルコンテンツ提供を促進していく」としている。また、発足にあわせて本日からSSCL参画企業の募集も開始している。参画する企業は、4社を通じて制作支援や事業開発など幅広い支援を受けることが可能とのこと。

いまだ国内未発売の状況ゆえに、『Apple Vision Pro』と空間コンピューティングはまだ事例が少ない。しかし、国内企業が手を取り合ってユースケースを創出することで、国内発売時に「ある程度利活用の手段が揃っている」という状況も作れるだろう。今後の動きにも期待したい。

(文=リアルサウンドテック編集部)

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