まるでミュージカル!? 『猿の惑星/キングダム』ウェス・ボール監督の斬新な撮影手法

5月10日に公開される映画『猿の惑星/キングダム』で監督を務めたウェス・ボールの撮影手法について、キャスト・スタッフがコメントを寄せた。

『猿の惑星』シリーズの完全新作となる本作の舞台は、現在から300年後、支配者が人間から猿へと移り変わった世界。猿と人間の“共存”か人間の“絶滅”かをかけた<猿&人間>VS<猿>の新たなる衝突が描かれる。

監督を務めたのは、日本が誇る大人気ゲームの実写映画『ゼルダの伝説』の監督にも抜擢されたボール。これまでも『メイズ・ランナー』シリーズなどの大ヒット作品を生み出してきたボールだが、実は現場で“音楽に合わせてカメラを動かして撮影する”というまるでミュージカル映画のような撮影手法にこだわっており、そんなこだわりが現場に明るいムードを作り上げていたことをキャストやスタッフが告白した。

グラフィックデザイナーやVFXアーティストなど様々な経歴を積み、2011年に短編CGアニメーション『Ruin』で初めて監督として作品を贈り出したボール。その後、巨大な迷路に巻き込まれた主人公たちが脱出に挑む『メイズ・ランナー』シリーズで世界的大ヒットを叩き出した。

そんなボールについて、本作でプロダクションデザイナーを務めたダニエル・ドランスは「ウェスは音楽に合わせて映画をデザインしていくんです。何かしらの映画のサウンドトラックを現場でかけ、そのリズムに合わせてカメラの動きを決めたりします。どんなシーンかを話し合っている時に、彼の頭にはもうそのショットのリズムがあるのです。彼が何を求めているのかすぐにわかるので、それは僕にとって大きな手助けになりました」と、ボール流の斬新な撮影手法を絶賛。

音楽をかけることによって撮影がしやすくなるだけでなく、ミュージカル映画の撮影のような明るい現場にキャストも助けられていたそうで、プロキシマス・シーザー役のケヴィン・デュランドは「彼はすばらしい監督です。しっかりしたビジョンを持ちつつも、現場では遊び心を忘れません。大きな責任を常に背負わされていても、自分が求めるものを“楽しい形”で創り上げようとします。それは僕らにとって、大きな遊び場で遊ばせてもらっているような感覚でした。リーダーでありながら、友達みたいな雰囲気なんです。みんながやりやすい現場を作ってくれるのです。そうして、僕たちはとてもエキサイティングな作品を作っていくことができたのです」と、監督のこだわりが現場にもたらしていた影響を明かした。

(文=リアルサウンド編集部)

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