中国との協力深化を期待 独大手企業トップ

中国との協力深化を期待 独大手企業トップ

第4回中国国際輸入博覧会に出展したバイエルの展示ブースで、中国で初披露されたバイエル持続ブドウ糖モニタリングシステムを見せるスタッフ。(2021年11月7日撮影、上海=新華社記者/張玉薇)

 【新華社フランクフルト/上海4月24日】ドイツのショルツ首相がこのほど中国を訪問したのに合わせ、製薬大手バイエルや自動車大手メルセデス・ベンツなどドイツ大手企業の幹部も代表団を結成して訪中し、重慶、上海、北京の3都市を訪れた。ドイツの経済界は中国との交流や協力を深めたい考えを前面に打ち出している。

 バイエルのビル・アンダーソン最高経営責任者(CEO)は新華社の書面インタビューに応じ、持続可能な発展は各方面から大きく注目されており、ドイツと中国にとって、特に医療・ヘルスケア、農業などの分野で極めて重要だとの認識を示した。

 同社は中国進出から140年以上になり、中国は海外事業の中で最も重要な戦略の柱の一つになっていると明かした。中国の膨大な人口は健康と栄養に対する需要が継続的に増加する要因となり、医療・ヘルスケア関連企業により多くのチャンスを生み出されているとの見方を示した。

 「中国がハイレベルな対外開放を拡大し、外資系企業を取り巻くビジネス環境を着実に改善していることを大変うれしく思う」。同氏はこのように語り、この2年で北京に新しいイノベーションセンター、上海に細胞・遺伝子治療に利用する同社独自のインキュベーションラボ「Co.Lab」を設立したほか、浙江省杭州市で投資額3億元(1元=約21円)のクロップサイエンス関連施設の建設、上海で2千万ユーロ(1ユーロ=約166円)のコンシューマーヘルス部門イノベーションセンターの開設も進めるなど、中国での投資・生産拡大を続けているとし、「今後も投資を継続すると確信している」と語った。

中国との協力深化を期待 独大手企業トップ

自動車大手メルセデス・ベンツグループのロゴ。(3月20日撮影、シュトゥットガルト=新華社記者/単瑋怡)

 自動車大手メルセデス・ベンツグループのオラ・ケレニウス会長も書面インタビューに応じ、中国はグローバル戦略で重要な役割を担い、グループにとって最大の単一市場というだけでなく、世界最大の自動車生産拠点と科学技術イノベーションセンターの一つでもあると説明した。

 同氏によると、グループは中国市場での事業強化を続け、過去5年で累計105億元を投じ、電動化やスマート化などに関する先端技術の研究・開発分野に焦点を合わせるとともに、中国での成果を世界にフィードバックすることを促している。デジタルイノベーションに取り組む上海の研究開発センターはこの2年、研究開発拠点のグローバルネットワークの中で最も規模が拡大した。

 両氏とも中国経済の長期的な発展に大きな自信があるとし、中国の成長には良好な強靭(きょうじん)さがみられ、世界の持続可能な発展推進などの面で極めて重要な役割を発揮していくとの認識を示した。

 アンダーソン氏はまた、中国はドイツにとって最大の貿易相手国だとし、「独中協力が深化することに期待し、両国間の経済・貿易活動が繁栄を続けることを望んでいる。これは世界の経済と持続可能な発展に有利に働く」と語った。

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