「10歳か11歳の時点で、すでに支配的だった」同郷の先輩が語るドンチッチの神童エピソード「60得点するくらいクレイジーだった」<DUNKSHOOT>

4月23日(日本時間24日、日付は以下同)、マイアミ・ヒートのレジェンドであるユドニス・ハズレムと、2012、13年のヒート優勝メンバーのマイク・ミラーがホスト役を務めるポッドキャスト番組『The Ogs』の最新エピソードが公開された。

第19回となった今回、ゲストで出演したのは、昨年12月に引退を発表したスロベニア出身のゴラン・ドラギッチ。NBAキャリア15シーズンのうち、ヒートで約7シーズンをプレーした技巧派レフティーは、2018年にオールスター選出、2020年にはNBAファイナル進出にも貢献した。

現在37歳のドラギッチはスロベニアのレジェンドでもあり、同国代表としてFIBAワールドカップへ3度、ユーロバスケット(欧州選手権)へ6度出場。2017年のユーロバスケットではスロベニアを初の優勝へ導き、大会MVPに選ばれるなど輝かしい実績を残した。

2017年のユーロバスケでドラギッチとともにチームの中心選手として活躍し、大会のオールスター5(ベスト5)に名を連ねていたのがダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチだった。ドンチッチは2018年のNBAデビューから新人王を皮切りに、昨季まで4シーズン連続でオールNBA1stチームに選出され、リーグを代表するスーパースターに成長を遂げた。
キャリア6年目の今季は平均33.9点で初の得点王に輝いたほか、9.2リバウンド、9.8アシスト、1.4スティールと申し分ない成績をマーク。マブズを2年ぶりのプレーオフに導き、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)とともにMVPのファイナリストに選ばれたように、自己最高のシーズンを送った。

長年ドンチッチのプレーを見てきたドラギッチは「10歳か11歳の時点で、すでに彼は支配的だった。40、50、もしくは60得点するくらいクレイジーだったんだ…。もうあの時から彼はフーパーだったのさ」と明かしたように、彼のバスケットボールセンスは群を抜いていたという。

2021年までマブズのHC(ヘッドコーチ)を務めていたリック・カーライル(現インディアナ・ペイサーズHC)もドンチッチを「どんな選手を相手にしても自在に戦える選手。スキルセット、戦術理解度、バスケセンス、いずれも申し分ない」と称賛していた。

スロベニアが生んだスーパースターはまだ25歳。すでに選手としてはほぼ完成されているだけに、マブズを優勝に導くことができれば、“現役最高プレーヤー”の称号を手にすることができるはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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