「自分のお金じゃない」に立腹 自治会共益費を着服、起訴内容を認める 群馬・前橋地裁太田支部で初公判

 自治会の共益費を着服したとして、業務上横領の罪に問われた、群馬県太田市の無職の男(45)の初公判が23日、前橋地裁太田支部(伊藤愉理子裁判官)で開かれ、男は起訴内容を認めた。検察側は「自己中心的な動機で酌量の余地はない。被害弁償も一切されていない」として、懲役1年6月を求刑、弁護側は寛大な判決を求めて即日結審した。

 検察側は冒頭陳述で、男が2016年4月から共益費の管理や未納金の回収を担っていたと説明。20年3月ごろ、支出を巡って会長から「自分のお金じゃないんだから」と言われたことに立腹し、口座からほぼ全額を引き出してオンラインゲームや生活費に充てたと明かした。また、会長宅の玄関に現金を置いて撮影し、会長に着服の罪を着せようとしたと指摘した。

 被告人質問で、男は「苦労して未納金を回収した。安易な発言を受けて感情的になった」と述べた。

 論告によると、男は自治会員から集めた共益費を管理していた20年7月28日、口座から208万3560円を引き出して、着服したとされる。

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