200カ国、数万点のお金! 琉球王国時代の古銭も 沖縄屈指の古銭コレクターが展示会 「世界の広さを感じて」

 【宜野湾】県内屈指の古銭コレクターとして知られる那覇市の翁長良明さん(75)が、70年にわたり集めてきた約200カ国の紙幣や貨幣を紹介する「お金で世界を感じ展」が20日から、宜野湾市立博物館で開かれている。会場には、琉球王国時代の古銭、世界最小と最大の紙幣、動物が描かれた貨幣など、数万点の珍しいお金がところ狭しと並んでいる。翁長さんは「お金を見て異国と世界の広さを感じ、古銭を見て歴史や文化を学んでほしい」と来場を呼びかけている。(中部報道部・吉川毅)

 初日は、翁長さんのギャラリートークがあった。最古の沖縄産通貨で地誌「琉球国由来記」(1713年)にある幻の貨幣「中山通宝」、およそ2500~2千年前の金貨、パンダやウマなど動物が描かれている世界のお金などを紹介すると、来場者は興味津々。

 また江戸時代の日本では、「千両箱」と言われるように大量の小判を箱に貯蔵していたが、沖縄では焼き物の銭壺(ジンガーミ)に入れていたことなど、お金にまつわるさまざまな話もあり、来場者がスマホで撮影したり、メモを取ったりする様子も見られた。

 翁長さんは少年の頃に首里城跡で古銭を見つけたことをきっかけに、コレクターとしての道を歩むようになったという。大人になって弁当屋を営みながら、休みの日になると収集に取り組んだ。現在は那覇市牧志の古美術「なるみ堂」を営む。

 翁長さんは「酒もたばこもやらないので、その時間とお金を使って日本各地の収集家と情報交換しながら少しずつ集めた。古銭や世界のお金を通して、歴史や人々の生き方にも想像を膨らませることができる」と笑顔で語った。

 那覇市から訪れた屋宜宣哉さん(25)は「世界にあるいろいろなお金を見ていると楽しい。翁長さんの話を聞いて、さまざまなお金を集めることにハマりそうになった」と話した。

 同博物館の開館25周年に合わせた展示会。平敷兼哉館長(54)は「子どもたちにも分かりやすいように、展示も工夫している。お金を通して世界の広さや歴史の深さを感じてもらえたら」と来場を呼びかけた。

 開催期間は6月2日まで。入場無料。問い合わせは同館、電話098(870)9317。

展示している世界のお金について、来場者に説明する翁長良明さん(右)=20日、宜野湾市立博物館

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