パンパンに膨らんだ巨大な“マダニ” 住宅地の茂みで見つかる その正体は「タカサゴキララマダニ」

春から活動を活発化させるマダニ。病気を媒介することから注意が必要ですが、愛媛県松山市の住宅地で発見したという情報が寄せられました。

マダニを発見したという情報が寄せられたのは、松山市南白水にある住宅街近くの茂みです。

男性が実家の近くでカメのエサとなるミミズを探していたところ、溝に積もった枯葉の中から見つけたそうです。

昆虫などに詳しい、愛媛大学農学部の吉冨博之教授に話を聞いてみました。

(愛媛大学農学部・吉冨博之教授)
「これはマダニです。獣の血を吸ってパンパンに膨らんで獣から落ちたところ、中型大型の哺乳類について寄生していて、草むらにいて次のターゲットを狙う生活をしている」

マダニの一種で、タカサゴキララマダニのメスと見られるこのマダニ。

発見場所付近にはイノシシも生息しているとみられ、吉冨教授はマダニが見つかっても不思議ではないものの、マダニは病気を媒介することもあることから、注意が必要だといいます。

(愛媛大学農学部・吉冨博之教授)
「愛媛県ではSFTSと日本紅斑熱が知られている。高齢者が主に亡くなっている」

では、どんな危険が潜んでいるのか。

中でも、危険なものが通称「SFTS」と呼ばれる病気で、マダニにかまれてから6~14日間で発症。発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出るほか、重症化すると死に至る恐れもあります。

2012年以降、愛媛県内で確認されたSFTS患者数は43人で、このうち12人が死亡しています。

マダニは春から秋にかけて活動が活発になることから、茂みに近づかない、肌を出さないなどの対策が必要です。

具体的な対策方法です。

・山に出かける際は、暑くても長袖・長ズボン、帽子や手袋などで全身をガード
・マダニに効く成分を含んだ防虫スプレーを使用するのが有効
・万が一かまれても手でつぶしたり引き抜いたりせず、医療機関へ
・山に出かけたあと発熱などがあった場合、すぐに医療機関へ

これから本格的なアウトドアシーズンに入りますが、山や森にお出かけの際は、マダニなどの害虫への対策も忘れないようにしましょう。

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