「特に今年は高温側の確率が高い」熱中症特別警戒アラートの運用始まる

今年の大型連休は、気温が高いと予想されています。

これから気をつけなくてはいけないのは「熱中症」です。

これまで、熱中症の危険がある場合は、「熱中症警戒アラート」が出ていましたが、24日から、さらに危険な場合に、「特別警戒アラート」が出ることになりました。

早くも「夏日」記録気象台「特に今年は高温側の確率が高い」

太陽が照りつけた今月19日。

福岡県内では気温が上がり久留米市で27.2℃、太宰府市で26.1℃と夏日を記録しました。

市民「もう夏の格好です。今これだけ暑いので夏どれぐらい暑くなるのかなと心配ですね」

子供「きょうは暑い」

母親「水分はミルクとは別に持ち歩くようにしていますね、あと着替えとかぬれタオルとか持って歩くようにしています」

1898年に始まった統計開始以降、去年は最も暑い夏となりました。

今年も暑くなるのでしょうか?

福岡管区気象台予報課・西郷雅典 技術専門官
「元々夏に向けて気温が暑くなっていきますので平年でも暑くなっていくんですけど、特に今年は高温側の確率が高いですから、暑い夏という風になってくると思います」

熱中症による死者1000人超続く24日から「特別警戒アラート」運用

これからの季節、警戒が必要なのが熱中症です。

熱中症による死者は、1000人を超える年が続いていて、環境省は、2030年までに熱中症による死者を半減させることを目標にしています。

そのため、現在、環境省と気象庁は、「熱中症警戒アラート」を出しています。

福岡県の場合、12の観測地点のいずれかで暑さ指数が33に達すると予測された場合に前日または当日にアラートを出して対策を呼びかけてきました。

さらに、過去に例の無い危険な暑さに備えようと「特別警戒アラート」という新たなアラートの運用が24日から始まりました。福岡県の場合、12の観測地点のすべてで暑さ指数が35に達すると予測された場合に出されます。

環境省熱中症対策室・高田直美 室長補佐
「いままでの警戒アラートというのは、アラートを出すことで皆さんに気づきを与えるという意味合いだった。(特別警戒アラートは)涼めるような場所を作ってあげましょう、公助と共助を含めてみなさんの命を守りましょうということで新設された」

「特別警戒アラート」自治体は、命を守るための「クーリングシェルター」指定

福岡市環境保全課・江頭勝 課長
「いまですね、こちらのスペースとカフェのスペースについてもクーリングシェルターとして指定を考えています」

「特別警戒アラート」に備えて、自治体は、命を守るため暑さをしのぐ場所として「クーリングシェルター」を指定することができるようになっています。

指定される施設には冷房設備があることや適切な空間を確保することなどの要件があり、福岡市は、「クーリングシェルター」の協力施設を官民問わずに募集しています。

デパートが「クーリングシェルター」に福岡市は地図上に公開し施設をPR

すでに、クーリングシェルターに手を挙げているのが、大丸福岡天神店です。

大丸は、各フロア階に設置しているイスを使って、体調の悪い人に一休みしてもらうことを想定しています。

大丸福岡天神店広報担当・箱崎純史さん
「急きょの体調不良の時はちょっとゆっくり休んでいただく、街の大型施設としてはそれぐらいの役割があっても良いのではないかなと考えています」

一方、「クーリングシェルター」に指定されると熱中症特別警戒アラートが発表された時に、一般に開放する義務があるため施設にとっては負担になるおそれもあります。

福岡市は、「クーリングシェルター」を地図上に公開することで施設のPRにつなげたいとしています。

福岡市環境保全課・江頭勝 課長
「施設にとってもPRになると思っています。皆さんも立ち寄りやすくなるので集客も見込めるのではないかなと思います」

「クーリングシェルター」利用者は…自治体も見当つかず

太宰府天満宮などに多くの観光客が訪れる太宰府市は、日によっては全国1位の最高気温を記録することもある暑い街として知られています。

観光客を熱中症から守ろうとおとといの会議で、17の公共施設を「クーリングシェルター」とすることを決めました。

とはいえ、どのくらいの人が「クーリングシェルター」を利用することになるのかまだ見当がつかないのが実情です。

太宰府市・楠田大蔵 市長
「多くの方が仮に殺到したときに、そうした方々にどう対応していくか、どのような形で空間を担保していくか、周知と共に受け入れ態勢を整えていくことが大きな課題と考えています」

自治体にとって悩ましいのは、「熱中症特別警戒アラート」が出る基準です。

過去に例が無いほどの暑さが予測される場合、つまり経験が無いので予測がしにくいのです。

実際、過去に「熱中症特別警戒アラート」を発表する基準に達したことはありません。

環境省熱中症対策室・高田直美 室長補佐
「そんなに頻発はしないと言えるし、4月でもこんなに暑いということを考えると可能性はないとは言えない/ただ、すごく準備は進めています」今年も世界各地で異常な気象現象が起きています。

日本も過去に例が無いほどの暑さに見舞われるかもしれない。

そう考えて自治体も私たちも備えておく方が良さそうです。

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