「ピザクック通り」「ブラックモンブランフットボールセンター」ネーミングライツに活路を見出したい自治体の懐事情

施設の名称に企業名や商品名をつけられる権利をネーミングライツと言います。近年、ネーミングライツを採用する自治体が増えています。いったい何が起きているのでしょうか。

現地説明会を実施した福岡県

福岡市早良区の県立ももち文化センター、通称ももちパレスです。

800人が収容できる大ホールやさまざまなイベントに活用できる会議室などがあります。

RKB 本田奈也花アナウンサー「築51年となるももちパレス。老朽化が進み、大ホールでは照明の改修工事が行われています。福岡県は整備費用を確保するため、ネーミングライツを導入することを決めました。」

ネーミングライツの導入に向け、24日、現地説明会が開かれました。

契約期間は今年9月から2027年3月末までで、契約金額は年額500万円以上の提案を求めています。

福岡県は県立ももち文化センターのほか、アクシオン福岡の通称で親しまれる福岡市博多区の県立スポーツ科学情報センターと県立総合プール、春日市にある県営春日公園のあわせて4つの施設でネーミングライツのパートナーとなる企業を募集します。

福岡県 財産活用課 熱田敏幸課長「民間企業などの力も得て、整備をし、引き続きより多くの方々、県民のみなさんに使っていただきたいということで、今回の取り組みにつながっています。」福岡県は2007年に、アクシオン福岡とももちパレスのネーミングライツを年額2000万円で募集したことがありますが、その時は応募者がなく、不調に終わりました。

今回は、契約金額を下げて改めてパートナー企業を募集します。

増える自治体のネーミングライツ

ネーミングライツを採用する自治体は増えています。

福岡県中間市では、JR中間駅から筑豊電鉄通谷駅までの道路約1.6キロが「ピザクック通り」となりました。契約金額は5年間で330万円。収益は、公園の草刈りなどの費用に活用されています。

そして、佐賀県小城市に今年1月に完成したサッカー場、小城市フットボールセンターは竹下製菓がネーミングライツを獲得し、同社の人気アイスクリームの商品名を冠とする「ブラックモンブランフットボールセンター」となりました。

「イメージ悪化」のリスクも

ネーミングライツで、企業側には宣伝効果、そして施設の維持・管理費に充てられるというメリットがあります。

一方、デメリットとしては、短い期間で名称が変更された場合、利用者が混乱することや企業が不祥事を起こしたときにイメージが悪くなるなどが考えられます。

今回福岡県が実施する4施設への応募期間は6月10日から19日までで、県はーミングライツで財源を確保し、施設の利便性向上につなげたい」と話しています。

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