色とりどりの150種・3万球のチューリップ見ごろも“人手不足”…いこいの村公園 山形・鶴岡市

鶴岡市の公園でいま、チューリップが見ごろを迎えている。栽培した市民団体は、美しく咲いたことにほっとしながらも、人手不足による厳しさに「もっと仲間が増えてほしい」と願っている。

「思いやり」の花言葉が風に揺れていた。
鶴岡市千安京田にある「いこいの村公園」では、色とりどりの150種・3万球のチューリップが見ごろを迎えている。

例年並みの4月15日に開花し、最盛期は27日ごろ。
天気に恵まれた23日は、訪れた人が4ヘクタールの園内をゆっくりと散策しながら、花々を写真に収めるなどして楽しんでいた。

そんな人々の姿を、栽培を担ってきた市民団体の中村恵二さんは、ほっとしながらも「複雑な思い」で見つめていた。

(庄内チューリップ倶楽部・中村恵二さん)
「ボランティアや市民の参加が少なくなってきた反面、観覧者は増えている。そのジレンマを感じている」

このチューリップ園は、閉館した施設の園を中村さんたち市民団体有志が5年前に復活させた経緯がある。
しかし、高齢化や会員数の減少による人手不足から、夏場に行う掘り出しや球根の養生作業などが、年々難しくなってきているという。

(庄内チューリップ倶楽部・中村恵二さん)
「予想外にチューリップを育てるのに大変な労力を必要としている。去年、秋の植え付けの前に『来年は無理かな』という話をした」

一方で、毎年楽しみにしている人々を思うと辞めるのは忍びないと、今シーズンは球根を5000球減らして定植し、開花にまでこぎつけた。

(庄内チューリップ倶楽部・中村恵二さん)
「秋には『もうダメだ、辞めよう』と思ったが、いざこうやって咲いてくれると、やって良かったという気持ちになる。(Q.また来年も?)そうですね」

中村さんの団体では、公園を管理する鶴岡市と今後の栽培の仕方や園の在り方について協議を進めている。
チューリップの見ごろは5月3日ごろまで。咲き誇る花々に、仲間が増えることを願う春となった。

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