【転出超過ワースト広島県】熱き若者の思いに迫る!「9割は県外に行きたい?」「学生目線の意見も聞いて」

シリーズ・ミライの広島。特に若者の人口流出が深刻な広島県が直面する「転出超過問題」です。ミライに向けた熱き若者の思いに加藤キャスターと私とコメンテーターの木村文子さん(エディオン女子陸上部アドバイザー)が迫りました。

「よろしくお願いします」

カメラの前に並んだ3人の若者…。
一人目はノートルダム清心高校に通う2年生の山下実里(やました みのり)さん。
続いては将来の夢は獣医だという広島女学院高校の3年生上岡楓夏(うえおか ふうか)さん。
そしてこの春から筑波大学に進学し、去年はG7広島サミットで高校新聞部の部長として各国の首脳陣たちの動きを追いかけた川畑悠成(かわばた ゆうせい)さん。

(加藤)転出超過というワードを聞いたことは…なかった?
(山下)はい…。

今年1月に発表された国の調査結果で明らかになった、広島の転出超過3年連続ワースト1位。

(加藤)若い世代、当事者世代は案外知らないというか意識はしない…。
(木村)私も実はニュースをみて知ったので、ここ最近知った仲間だと思ってください。
(川畑)ある意味仕方ないよなと。当事者世代として僕はそういう感情を抱いていて。広島の大学はすごく限られているし、東京一極集中の時代ですから、すごく東京には魅力的な大学もあるし…。大学以外で魅力を作りだせば何とかなるんじゃないかと考えた。
(上岡)県外に行きたい人と広島県に残りたい人の割合は9対1くらいだと思っていて。
(木村)私の高校時代は逆の傾向があった気がします。
(上岡)みんな最先端のファッションが知りたいとか大きいテーマパークに行たいとか。
(加藤)私は関東からこっちに来た時に、ほとんどあるじゃん何が違うんだろうという感覚だった。
(山下)私は県外に進学したいなと思っていて、自分のことを知らない人がいっぱいいる中で生きてみたいという、チャレンジしたいところがあって…。
(加藤)自分の将来の道筋を思い描き始めたのは高校に入ってから?
(山下)最近です。学校で進路HRとか結構開くようになって意識するようになった。

(加藤)若い人が出ていっているという危機感を抱くのも大事だが、いかに外から中に入ってきてもらうかというポイントも大事かと思うが。
(上岡)広島県はいま再開発に力を入れていると思うので、それをどう生かして他県の人を呼び込むかが大事なキーワードになってくると思うので、そこの政策を私は期待したい。
(川畑)僕は広島は観光の街としてすごく優れていると思っている。逆に転出超過を防ぐためには観光に頼りすぎない広島、一つにコンテンツに頼りすぎない広島であってほしい。

一方、県は今月から専門のプロジェクトチームを立ち上げ、およそ3千万円をかけて、若者の県外流出要因を明らかにする詳細な調査と対策の再構築を図る方針です。

(山下)3000万円をすべて転出の調査につかうのかと最初に聞いたとき思った。3000万円をちょっとでも転入とか移住とかの広告費にしたり、もっと魅力を伝える活動のお金にしたほうが広島にとってはいいんじゃないかなと思ってしまった部分があるので…そこはちょっと考えてほしい。
(上岡)その調査で私は県に、学生目線の視点からの意見を集めてもらいたいと思っていて、もちろん県が考える転出超過を防ぐ取り組みや転入を増やす取り組みもあると思うが、私たち子どもの意見は大人とは違う部分があると思うので、子供の意見も活用しつつ3000万円という限られた費用の中で活用していってもらいたい。
(加藤)3000万円と聞くと、いろいろなことできるよねと思っちゃいますよね。
(川畑)やっぱりその3000万円を使うことに対して県は正当性を持ってやってほしい。

ミライを考える若者の議論はさらにヒートアップ!
次回、若者が考える効果的な対応策を徹底議論します。

<スタジオ>
若い人の意見を聞いて、想像以上に色々見えているし、考えていることを感じた。

【木村文子さん】
「率直にびっくりしたというのが最初の印象。こんなにも高校生たちが自分事として考えていることがあるのだと思うと、私も大人のひとりとして、もっと考えなくてはならないと思うし、さらに大人として若者の意見にも耳を傾けていくことも必要だと思った。そういう取り組みをどんどんしていきたい」

そういう環境を大人がととのえていく必要もあるし、この問題が難しいと思ったのが、参加した皆さんに地元愛はある。ただ県外への進学も考えたりするということ。
梶谷さんも私も県外出身だが、広島の魅力を外から見て感じることもある。

【梶谷アナ】
「私も地元(大阪)と比べて何不自由なく生活しているし、何も不便なく生活しているので…。ただ若者からすると広島の外に出てチャレンジしたいという気持ちもわかるので、出て行ってしまった若者が、どうやったら帰ってきてくれるのかというところも考えていけたらいい」

まだまだたくさんの課題があります。これからも皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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