愛知県東郷町の井俣憲治町長「不適切にもほどがある」のハラスメント…調査で町職員108人が

東郷町役場のホームページから(C)日刊ゲンダイ

「人・まち・みどり ずっと暮らしたい とうごう」

愛知県の名古屋、豊田両市の中間に位置する人口4万人超の町「東郷町」が、ハラスメント問題で注目を集めている。

きっかけは昨年11月、中日新聞が井俣憲治町長(57)の職員に対するパワハラ、セクハラ被害を記事化したことだった。事態を重く見た町は同12月、町や町長から独立した第三者委員会(委員長・堀龍之弁護士)を設置。職員に対するアンケート調査を行って実態調査を進め、今年4月22日に調査報告書を公表したのだが、対象となった739人(582人が回答)のうち、108人がハラスメント行為を受けていたことが分かったという。

「これだけ長い期間、違法なものを含めてハラスメント行為が繰り返されてきたことに驚いた」

23日に町役場で会見を開いた堀委員長が驚いていたのも無理はない。公表されている報告書を見る限り、井俣町長のハラスメント行為は頻繁に繰り返されていた様子がうかがえるからだ。

■自身の学歴は地元の東郷高を経て愛知大学法経学部卒

とりわけ目立ったのが、学歴に関する暴言だ。「お前の頭は帽子をかぶるためだけの頭か」「頭が悪いな」「小学校レベル」「最上級のあんぽんたん」「三流大学出身」「三流大学以下」……これらの発言が事実ならば、井俣町長はよほど「超一流大学」なのか。

学歴を確認すると、地元の東郷高を経て愛知大学法経学部卒とある。大手予備校の駿台や河合塾による愛知大の偏差値は40台半ばから50台前半だ。

注目は社歴だろう。「元新日本証券株式会社、元株式会社日栄勤務」とある。今春に話題となったTBS系ドラマ「不適切にもほどがある」(阿部サダヲ主演)ではないが、井俣町長が若手社員の頃の証券、消費者金融マンといえば営業成績至上主義。それこそ無理難題、罵詈雑言は当たり前の時代だった。

25日にも会見を開き、進退について説明するとしている井俣町長。調査報告書を読み、自分の言動について果たして「不適切にもほどがある」と自覚したのだろうか。

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