復活 奥能登の伝統製塩 揚げ浜式の塩づくり開始 すず塩田村

地震で大きな被害を受けたすず塩田村できょうからことしの塩づくりが始まりました。

ただ、輪島につながる道路は通行止めが続いていて道の駅としての再開のめどはたっていません。

きょう、「道の駅すず塩田村」で行われていたのは…

塩づくりの仕事始め式「塩浜祝」です。

こちらではくみ上げた海水を塩田にまく「揚げ浜式」での塩作りを江戸時代から続けてきましたが。

地震の影響で敷地内にはいくつもの亀裂が入り、塩田も一部が傾くなどの被害を受けました。

さらに、隆起により海岸線は50メートルほど後退し海水をくみ上げることができなくなりました。

塩作り職人・浦清次郎さん:

「ここが汲んどったところやからこのへんまで海水がきとったってこと」

それでも、配管を延長して海水をくみ上げられるようにし自宅や避難先から通うことができる12人の従業員で例年どおり、4月下旬にことしの塩作りを始められることになりました。

塩作り職人・浦清次郎さん:

「最初無理かなと思ったけどこれで終わりたくないなというのが1番の気持ちですよね」

「がんばって、みんな戻ってきてもらって頑張りたいなと思います」

ことしの生産は6トンを見込んでいて、ネットや県内外の物産展で販売するということです。

一方、塩の売り場にもなっている売店の再開は見通しが立っていません。

その理由の1つが、トンネル周辺の土砂崩れなどにより目の前を通る国道249号線の復旧のめどが立たないためです。

泉谷珠洲市長:

「特に観光の復興ということにいきますと、能登半島の海岸沿いの道路、この道路が通れるようになることが1番重要だと思っています」

「国土交通省さんが権限代行で復旧を本格的に進めてくれるということですのでできれば1日も早く通れるようにしていただきたいという思いです」

一方、国道249号でつながる輪島市の「白米千枚田」の付近では従来のルートでは早急に復旧させることが難しいとして、仮の道路を整備することに。

海底が隆起した土地を活用し、400メートルあまりの仮設道路を通す計画でこちらはゴールデンウイーク中をめどに通行ができるようになる見通しだということです。

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