石垣市で初 自衛隊員らが公道を行進する訓練

石垣島では今月24日朝早く、陸上自衛隊石垣駐屯地の隊員らが、市内の公道を行進する訓練を実施しました。

明和の大津波が起きた日にちなみ災害時を想定した支援物資の輸送訓練を行ったとしています。石垣駐屯地の部隊が基地の外でこの訓練をするのは、発足以来初めてです。

公道を使った訓練は、あさ6時に始まり、隊員30人が、小雨の降るなか駐屯地を出発。

市街地の運動公園屋内練習場まで16キロの道のりを徒歩で行進しました。

八重山警備隊本部中隊 千々和将一 通信小隊長
「近年石垣島周辺でも大きな地震が起きておりますので、このような事態はないとは限らないということで、緊張感をもって訓練に臨んでおります」

訓練は、災害で車の通行が困難になった地域があると想定して行われ、隊員らは駐屯地に保管している飲料水など重さおよそ14キロの支援物資を背負って、行進したということです。

この訓練をめぐり、市民らの賛否は交錯しました。

反対派の市民
「私たちは災害訓練とは思っていません。軍事訓練そのものです。島の状況がだんだんとそういう風に慣らされてきて、そういうことは私たちは絶対許してはならないと思っております」

訓練の途中には、市民団体などが抗議する姿が見られた一方、自衛隊に友好的な八重山防衛協会の会員らが隊員を激励する姿も見られました。

賛成派の市民
「日本各地でどこでも災害が起こる可能性がありますので、きょうの行進は我々組織をあげて応援したいと思います」

八重山警備隊本部中隊 千々和将一 通信小隊長
「自衛隊の活動に対して様々な意見があることについては承知しております。ただ我々を必要とする場合については、与えられた使命を責任をもって果たすことが重要だと考えております」

隊員らは、およそ2時間ほどで避難所に見立てた屋内練習場に到着し任務を終了しました。

© 琉球放送株式会社