新生SHIBUYA TSUTAYAに潜入 VTuberの存在感、ポケカラウンジの椅子は最高

1日の通行者50万人の渋谷スクランブル交差点前に立つランドマーク・SHIBUYA TSUTAYA(渋谷ツタヤ)が、4月25日(木)にリニューアルオープンを果たす。

2000年オープンの旗艦店は、2023年10月に全面改装を敢行。CDやDVD等のレンタルサービスはオンラインへの移行を発表した。

およそ四半世紀を経て、地下2階から地上8階の各フロアに、カフェやラウンジ、ポップアップショップ、シェアオフィスなどスペースを有する施設へと生まれ変わる。

注目を集めるのは、「IPコンテンツの聖地」を掲げるSHIBUYA TSUTAYAがフロア名にIP(Intellectual Property)を冠し、アニメ・漫画・VTuberなど多数のポップアップショップを展開する6階「IP書店」。

そして、スターバックスコーヒー以外では唯一の常設店舗となる『ポケモンカードゲーム』の公認ラウンジ「POKÉMON CARD LOUNGE」だ。

オープン前日の4月24日にはメディア向けに内覧会が実施。今回は、6階「IP書店」と5階の「POKÉMON CARD LOUNGE」を中心にレポートする。

6階「IP書店」オープン時のメインを飾るぶいすぽっ!

オープン前から様々なポップアップショップが発表されたSHIBUYA TSUTAYAの6階「IP書店」。

アニメや漫画に加え、ぶいすぽっ!やにじさんじ、甲賀流忍者!ぽんぽこさんとオシャレになりたい!ピーナッツくんなど、VTuber関連の企画も多く注目を集めた。

それらは4月25日のオープン初日からスタート。フロア内で最も大きなスペースを割かれて展開されていたのが、バーチャルe-Sportsプロジェクトを謳うぶいすぽっ!だ。

該当のエリアは、イラストレーター・望月けいさんが描いたキービジュアルが大きく展示され存在感を放つ。加えて、タレントそれぞれの顔がプリントされたTシャツをはじめとしたグッズが展示販売される。

なお、ぶいすぽっ!は地下1階でも、特大描き下ろしキービジュアルを展示。さらに、ぶいすぽっ!の歩みを感じられるモニュメントなどフロア全体を使った無料展示イベントも開催される。

ぽこピーやにじさんじなど、多数のVTuberのポップアップを展開

甲賀流忍者!ぽんぽこさんと、オシャレになりたい!ピーナッツくんのポップアップショップ「POPIYA」は、ハチ公像のような2人の銅像がお出迎え。

往年のTSUTAYAのロゴをモチーフにした「POPIYA」のコラボビジュアルを使用した限定グッズや、平成レトロを感じさせるVHSケース、ぽこピー責任編集によるムック本『POKOPEA』も販売される。

VTuber関連では、にじさんじの大型コーナーも展開。

タレントそれぞれにフォーカスしたCDシリーズ「FOCUS ON – NIJISANJI SINGLE COLLECTION –」の特設売り場や、所属タレントによるユニット・ChroNoiRとROF-MAOのパネル展示などが行われる。

また、VTuber事務所・ハコネクトのショップでは、メンバーのオリジナルグッズの販売をはじめ、複数の企画が実施される。

そのほか、人気TRPG配信者・むつーさんの著書『むつーと学ぶ 初心者のためのTRPG入門』発売を記念した特設コーナーも展開。

著書の発売を記念したグッズの販売はもちろん、過去グッズの再販も行われる。

「POKÉMON CARD LOUNGE」は机や椅子の使い心地も上々

「IP書店」のある6階からフロアを下った5階には、『ポケモンカードゲーム』の公認ラウンジ「POKÉMON CARD LOUNGE」が登場。

期間限定のポップアップショップが目立つ中で、常設の“ポケカラウンジ”は発表と同時に大きな反響を呼んだ。

497平方メートルに82席を有する空間は、黒を基調としたシックでラグジュアリーな内装。壁面には基本エネルギーのエネルギーマークなどがデザインされ、オーダーメイドだという机や椅子の使い心地も上々だった。

利用料金は一般席で1人60分1650円、延長30分ごとに660円。PRIVATE ROOM(定員4名)は60分8250円、延長30分ごとに3300円。

食べ・飲み放題のスナックやドリンクが用意されているほか、デッキや必要なアイテムの無料レンタルも予定。また、ポケカラウンジ限定グッズも販売される。

作業&休憩に使えるシェアラウンジに『チェンソーマン』のフィギュア

オープン時点で、アニメや漫画などに加え、VTuberや配信者などネット上で人気のポップカルチャーをも取り込んだ印象のSHIBUYA TSUTAYA。

3階・4階の「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」にも、作業や休憩に使えるフロアの至るところに、フィギュアブランド・渋谷スクランブルフィギュアが展開するフィギュアが展示されている。

内覧会当日は『呪術廻戦』や『チェンソーマン』のフィギュアが展示され、一部は6階の「IP書店」で購入できる。

「SHARE LOUNGE」は電源やWi-Fiを完備。利用料金は、通常プランが60分1650円、アルコール付きプランは60分2200円。コーヒーやナッツのほか、パンやパスタ、チキン、ポテト、餃子などの冷凍食品、アイスクリームが食べ・飲み放題となっている。

かつてのSHIBUYA TSUTAYAを彷彿させる地下2階

他のフロアについては、7階はコラボカフェと1階の「SIPS A」は、現在放送中のアニメ『WIND BREAKER(ウィンドブレイカー)』とのコラボレーションを展開。

以前は新作のCDやBlu-rayの販売、アーティストのパネル展示などが行われていた1階は、3面の屋内LEDビジョンと屋外エントランスLEDビジョンを完備したフロアに生まれ変わった。大きな空間とビジョンで、コラボタイトルを大々的に打ち出している。

2階はスターバックスコーヒーが入る。リニューアル前からあった店舗だが、今回内装が大きく一新され、2階全フロアにわたって展開される。なお、1階にあったテイクアウト専用の店舗も復活した。

最後に地下1階と2階に触れておこう。地下1階「SIPS B」はアーティストのギャラリー展示や物販などで使用される。オープン時点では、ぶいすぽっ!の無料展示が展開中だ。

地下2階は、かつてのSHIBUYA TSUTAYA1階を彷彿させるフロア。アーティスト、タレント、アイドルを中心に、巨大パネルや大型4Kビジョンを活用した展示のほか、CDやBlu-ray、写真集などの販売が行われる。

SHIBUYA TSUTAYA、オープン時はVTuberの存在感が際立つ

メディア向け内覧会では、カルチュア・コンビニエンス・クラブで渋谷プロジェクトエグゼクティブプロデューサーをつとめる鎌田崇裕さんが、リニューアルオープン後のSHIBUYA TSUTAYAについて説明。

その中では、店舗の前の通行者として20代が多いこと、利用者の約60%が外国人であることなどが挙げられた。

こうした状況を鑑みても、若者と、外国人観光客といったインバウンドの需要を見込んでいることがうかがえる。

オープン時の6階「IP書店」には、VTuberの存在感が際立つ。しかし、それ以外にも、世界的に人気が高い日本のアニメや漫画の関連商品も販売。

ぽこピーの「POPIYA」をはじめ、小規模のポップアップが展開できるスペースの一画には、『名探偵コナン』や『ブルーロック』、『呪術廻戦』などのコミックスが並べられていた。

そうした点にリニューアル前の面影を感じさせる一方で、ポップアップショップには期間限定も多く、現在の企画が終了した後の展開にも注目が集まる。

加えて、施設全体でみると、いわゆる回遊性よりも、各フロアがピンポイントのニーズを満たすことに重きを置いている印象だ。オープン直後に迎えるゴールデンウィークを経て、施設がどのように利用されるのかも注視していきたい。

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