自民、立民両陣営SNSでも火花 「毎日更新、ネット広告も投入」「演説生配信、党本部が全面支援」 衆院補選 島根1区

街頭演説の内容などを投稿する錦織功政候補と亀井亜紀子候補(左)のインスタグラム

 終盤戦に入った衆院島根1区補選で自民党、立憲民主党の両陣営が交流サイト(SNS)でも火花を散らしている。活動の様子や街頭演説会の日程などを連日小まめに投稿。ネットを使った選挙運動が解禁されて10年がたち、SNS活用はもはや必須事項。勝敗の鍵を握るとみられる浮動票の獲得に向けて、過去の選挙以上に投稿に熱が入る。

 「ふるさとへの想いは誰にも負けません」(自民・錦織功政候補)

 「課題を受け止め国境離島を守る政策を推進する」(立民・亀井亜紀子候補)

 選挙戦9日目の24日も2人は投稿を続けた。両方陣営ともフェイスブック、インスタグラム、X(旧ツイッター)、ティックトックを中心に情報を発信し、若年層への浸透を狙う。

 初陣のため、知名度アップに力を入れる錦織候補の陣営は、3月1日にインスタグラムで初投稿し、以降は毎日更新。告示前は候補が趣味としているラーメン店巡りの動画を複数回にわたって載せ、人柄を伝えてきた。4月上旬から告示日前にかけてはネット広告も大量に投入し、陣営によると再生回数は数十万回に上ったという。

 昨年春の県議選でSNSを積極的に活用し、陣営で広報を担当する河内大輔県議は「肌感覚だが、投稿や広告を繰り返していると、街頭で若い人が『見たことある』と反応する割合が増えた」と話す。

 亀井候補の陣営は告示日以降、遊説行程▽街頭演説での訴え▽応援弁士などの告知ー3点を中心に1日2~3回更新。急きょ遊説日程が加わった場合も機動的に対応している。

 21年衆院選時も陣営はSNSを活用していたが、島根1区が全国で唯一の与野党直接対決となったことから、党本部側が全面的にバックアップ。専属で計3人が張り付いて写真や投稿内容を作り込み、演説の生配信も随時取り入れる。

 陣営で担当する党島根県連の岸道三県議は「無党派層、特に若い方の取り込みには効果があるはずだ」と手応えを口にした。

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