マスク氏、豪議員「投獄すべき」と批判 事件映像巡り対立深刻化

Byron Kaye

[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリアのシドニーで先週起きた刃物襲撃事件に関する映像のXでの扱いを巡り、米実業家イーロン・マスク氏とオーストラリア政府の対立が深刻化している。

マスク氏は削除命令に反発し、検閲だとアルバニージー首相を批判。一方、同国の上院議員は24日、警察が市民がテロリスト集団に加わることを懸念していると述べた。

ジャッキー・ランビー上院議員は、事件関連の映像がX上に放置されていることで「映像が、オーストラリア国内の人々にテロ組織への参加やテロ行為を促すのに使用される恐れがある」と警察が連邦裁判所に訴えたとした上で、「(マスク氏は)大人らしく振舞うべきだが、社会的良心がないので、そうしない」とソーシャルメディアに投稿した。

マスク氏はこれに反発し、ランビー氏が投獄されるべきと述べ、オーストラリアの銃規制は「ファシスト政府」に対する抵抗を阻止するためのものだと指摘した。

オーストラリアの規制当局がXに刺殺事件の映像を削除するよう命じたことを受け、Xは同国の裁判所に異議を申し立てた。裁判所は一時的に映像を削除するよう命じた。Xは裁判所の命令を不服として争う方針。

Xでは「Xで言論の自由を検閲したランビー議員こそ刑務所に入るべきだ」との投稿があり、これにマスク氏は「その通りだ。彼女はオーストラリア国民の敵だ」と応じた。

裁判所は、審理が行われる5月10日まで一時的な削除命令を延長した。

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