「石垣を登ってくる敵を妨害する『石落とし』や 鉄砲を使うときに使われていた『狭間』など」 熊本城の櫓の内部がゴールデンウィーク中に一般公開

熊本地震による被災から復旧した熊本城の櫓(やぐら)の内部が大型連休中、特別に一般公開されます。

熊本城の北の守りの要で、国の重要文化財でもある「監物櫓(けんもつやぐら)」。

1634年の絵に描かれていることから、それ以前の加藤家の時代に、建設されたと考えられています。

しかし、8年前の熊本地震で建物の壁や石垣の一部が被災。

2021年の10月から復旧工事に着手し、去年(2023年)12月、2年3か月に及ぶ工事が完了しました。櫓の中に入ると、復旧工事で施された工夫が。

建設当時の雰囲気を残すため、木で作った格子状(こうしじょう)の耐震壁を6箇所に設置して、熊本地震と同規模の地震に耐えられるように補強したということです。

一方で、防衛施設としての機能がよくわかる場所を見ることもできます。

記者「こちらは狭間(さま)といい、相手を監視したり鉄砲で撃ったりするときに使われていたということです」

狭間には敵を狙撃する際に、身を守ることができるよう頑丈な柱があえて左側に配置されていたといいます。

ほかにも石垣を登ってくる敵を妨害する「石落とし」など、建物の中からしか見ることができない場所も。

監物櫓の内部公開は、大型連休中の5月3日から5日まで、期間中は宇土櫓(うとやぐら)の素屋根(すやね)の内部も特別公開されます。

熊本城総合事務所 濵田清美 所長
「通常内部の公開をしない櫓なので、いましか見られないという点では両方あわせてお楽しみいただければと考えています」

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