【後編】カラーコンタクトって子どもも使っていいの?子どもの視力低下に伴う疑問についてお伺いしました。

前編の話
子どもの視力が落ちてきたからコンタクト導入を考えているけれど、何歳くらいなら使用できる?カラーコンタクトってどうなの?そんな疑問に、医療法人SCM 新川中央眼科院長 小川 佳一先生から前後編に分けてお答えいただきました。今回は後編です。

コンタクトレンズの使用は、高校生以上から

このようにコンタクトレンズによる傷害の中には、一生回復しないものもあり、成長期のお子さんには大人よりもより注意を払う必要があります。煙草をイメージしていただくとイメージしやすいかもしれません。子どものころからタバコを吸えば、肺のダメージは成人してから吸うよりも大きいのは想像しやすいですよね。コンタクトレンズの使用は、おおむね高校生以上からが望ましいとされています。
特に酸素透過性の低いコンタクトレンズの使用は、長い目で見ると角膜へのダメージを蓄積させるためできるだけ避けていただく、どうしても使用する必要がある場合にはできるだけ短時間にすることが必要です。

カラーコンタクトレンズ(カラコン)はレンズ素材の中に色のついたシートを挟んでつくられるものが多いです。このシートはコンタクト本体の素材とは違い酸素の透過性が非常に低いのです。そのため、通常のコンタクトレンズよりもカラコンは酸素の透過量が低く、角膜内皮へのダメージが大きくなります。一部海外メーカーの中にはコンタクトレンズの表面にプリントしているものがありますが、眼の表面に塗料が直接触れるためアレルギーや傷、炎症を起こしやすいため、なおさらお勧めできません。

コンタクトレンズ購入は医師の診断のもとで

日本眼科医会では最近のコンタクトレンズ装用の低年齢化を問題視しています。カラコンに限らず、度のあるなしにかかわらずコンタクトレンズはすべて「高度医療管理機器」に指定されている医療用品です。眼科医の指示のもとに購入・装用しなければなりません。 最近はドラッグストアや雑貨店などで販売されていて、医師の診断の無いまま装用される方も多くみられます。しかし、そのレンズが眼の状態にあっているのか、きちんと診断しコンタクト購入の指示書を発行してもらってから、購入すること。また、装用方法や手入れの仕方も医師や視能訓練士、看護師からきちんと指導を受けて使う必要があります。
中学生以下のお子さんがどうしてもカラコンに限らずコンタクトレンズを使用したいという時には、少なくとも最寄りの眼科で眼の状態を確認してもらい、相談するようお願いします。

執筆者

小川 佳一先生
新川中央眼科院長
札幌生まれ 平成8年旭川医科大学卒業
札幌医科大学眼科学教室で研修し、旭川厚生病院、苫小牧市立総合病院、道立江差病院、札幌医科大学付属病院を経て平成18年新川中央眼科を開業。
札幌医科大学では斜視弱視外来のスタッフとして斜視・弱視、先天性白内障などの小児眼科を担当。
専門の斜視・弱視、屈折矯正、白内障手術だけではなく、開業後、総合病院では少なかった「眼科不定愁訴」の訴える患者が多いことから、ドライアイやマイボーム腺の疾患に興味を持ちドライアイ研究会・LIME研究会に所属し積極的に治療に取り組んでいる。

新川中央眼科ホームページ
https://www.shinkawa-med.jp/

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