「すごく不便」「ストレス」と利用者困惑 首都圏は231駅から99駅に減…「みどりの窓口」コスト削減で激減し“混雑”

JRの駅で今、ある変化が起きている。それは、「みどりの窓口」の混雑だ。効率化によって駅の窓口が減ったことが要因だというが、利用者からは困惑の声があがっている。

“2025年には70駅程度に” 減少する「みどりの窓口」

23日午後1時半ごろ、東京・JR新橋駅にある「みどりの窓口」を訪れると、多くの人が列を作っていた。平日にもかかわらず20人ほどが並ぶ。

そして翌日の24日午後1時頃、再び新橋駅を取材すると、この日も、みどりの窓口には多くの人が並んでいた。

海外から帰国して旅行する妹夫婦のためにチケットを買いに来たという女性に話を聞いた。

「JR武蔵溝ノ口に行ったらなんとかあったんですが、ものすごく混んでいて1時間以上待ったんですね。(都内に)1時間半~2時間かけて来ないと切符が買えない、旅行もできない。」

――みどりの窓口の数が減っているが?
「もう、すごく不便です」

2021年5月、JR東日本の当時の深澤祐二社長は、コスト削減などを理由に、2025年までにみどりの窓口を約7割減らす方針を示した。深澤前社長は当時の会見で「2025年には70駅程度に縮小したいと考えております」と述べていた。

実際に、3年前の2021年4月時点ではみどりの窓口が首都圏に231駅、地方圏に209駅あった。それが現在は首都圏に99駅、地方圏に110駅と、かなりの減少ぶりをみせている。そのため、みどりの窓口がある駅には、新幹線のチケットや定期券などを買い求める人たちが集中する事態となっているのだ。

JR新宿駅では、大きなキャリーケースを引いた女性がみどりの窓口に入ろうとするも、あきらめる様子もみられた。みどりの窓口が減る現状に、多くの利用者が困惑している。

ゴールデンウィーク旅行の切符を購入したという女性は「自動販売機で買えない手続きをしたかったので、そうすると窓口じゃないとどうしても買えないという状況だった。一つ一つ時間かかってるのかなっていう感じはあります」といい、また、切符の日付を変更しにきたという男性は「そういうの(日付変更)は、みどりの窓口しかやらないと思う。普通の改札口ではやらない」と語る。さらに、出張用の切符を購入しに来たという女性は「JRの駅降りるたびに、ここもなくなったかと結構びっくりします」と驚きの声をあげた。

営業終了後も対応に追われ…

22日午後6時半過ぎ、JR目黒駅のみどりの窓口では、終了時刻の20分前になってもまだ31組が待っていた。

午後7時を過ぎると、みどりの窓口のシャッターが下りたが、受付を済ませていた人については対応が行われた。それでも最後の客が出てきたのは、営業終了から1時間以上が経った午後8時過ぎだった。営業終了後も待機していた男性は、「長かったわ~。ものすごいしんどかった。(窓口が少なくなったら)こっちがものすごいストレスやわ」と話した。

JR山手線内では、みどりの窓口のある駅は、2021年5月時点では20駅あったが、現在は10駅(東京、新橋、品川、目黒、渋谷、新宿、池袋、日暮里、上野、秋葉原)に減っている。JR東日本は、インターネットなどによる切符の購入の利便性の向上、そして券売機の機能増強などを進めていくとしている。
(「イット!」4月24日放送より)

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