“震度6弱” 地震から1週間 高知県宿毛市「支援」「助け」励みに前を向く

高知県宿毛市で「震度6弱」を観測した地震の発生から1週間になります。いまなお、爪あとが残る宿毛市ですが、多くの「支援」や「助け」を励みに前を向く人の姿がありました。

1週間前の4月17日午後11時14分ごろ、宿毛市で震度6弱を観測する大きな地震がありました。

(リポート 竹村総平 記者)
「震度6弱を観測した宿毛市街を一望できる場所に来ています。地震発生から1週間が経った今も、屋根にブルーシートをかけたままの家が何軒も見えます」

宿毛市では29軒の住宅で屋根瓦が落ちるなどの被害が。宿毛市小筑紫町のこちらの住宅でも、地震で屋根瓦が剥がれ落ち現在はブルーシートをかけた状態です。

ここ数日の雨でも雨漏りなどはありませんでしたが、修理については見積もりを取っただけで、「いつ工事に取りかかれるか、めどは立っていない」といいます。

(被災した住民)
「(早く直したいけど)余震とかがあるから、直してもまた…。それが心配よね。(市や県には)少しでも、援助できるんやったら、出してもらいたいと思ってるんですけどね」

(宿毛市栄喜地区 濱田省三 区長)
「なかなか市の方もお金の問題とかがあって『そこまでは対応できません』という感じになっていますので、そこら辺がちょっと厳しいですけど…」

(リポート 竹村総平 記者)
「こちらの酒店では地震が発生した翌日から、県内だけでなく県外から、応援の発注が相次いでいるということです」

大きな揺れで大量の酒の瓶が倒れて割れるなどの被害にあったこちらの酒店。しばらくは営業できないかもしれないと考えましたが、地域の人が片付けを手伝ってくれたほか、SNSなどを通じて被害を知った県内外の人から“応援の発注”が相次ぎました。「1件で100本を超える発注」もあったということです。

(大西酒店 大西慶典さん)
「まだ営業できんお店も何軒かあって、本当は手伝いに行きたいけど、自分のところもそれどころではないっていう…。なるべくゴールデンウィークとか、いっぱい人に来てもらって、宿毛市内の飲食店で食べて、飲んで、応援してもらいたいです」

大西さんは、今回の出来事が「考えを変えるきっかけにもなった」と話します。

(大西酒店 大西慶典さん)
「これからも、自分のできる限りの事は、災害などがあったら『真っ先にやりたい』っていう気持ちはあります。これだけ人の温かみを感じて、『人生観が変わった』まではいかないけど、かなり変わりました。自分の中で」

宿毛市は夕方、災害対策本部会議を開きました。この1週間大きな余震がなく、被害が拡大しなかったことなどから24日、体制を縮小。今後は被災した市民に寄り添って復興を目指しながら南海トラフ地震対策をより推進していく方針です。

(宿毛市 中平富宏 市長)
「今回の地震を一つの教訓として(南海トラフ地震は)こんなものじゃないと、市民の方々と情報を共有しながら対策を進めていきたい」

また、宿毛市は義援金の受付を始めました。市役所に専用の募金箱が設置されているほか、専用の口座も開設しています。口座番号などはご覧の通りです。

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