「熱中症警戒アラート」とはどう違う?「熱中症特別警戒アラート」とは…4月24日から運用開始 東杜和気象予報士が解説

24日から運用が始まった熱中症特別警戒アラートについて東気象予報士の解説です。

24日から熱中症特別警戒アラートの運用が始まりました。この情報の運用の背景には、年々熱中症の救急搬送者数が増えているということがあげられると思います。こちらは過去5年間の高知県の搬送者数なんですが、2022年は570人、2023年は495人と500人近い人が搬送されている状況です。

これまで熱中症警戒アラートがあったのですが、それとはまた違った運用になるということですか?

今までの熱中症警戒アラートに加えて、さらに一段上のさらに厳しい情報が熱中症特別警戒アラートになります。

どのようなものなのか発表の位置づけを見ていきます。熱中症警戒アラートは「熱中症搬送者が急増する可能性のある状況」で発表されていました。今回は更に上で「過去に例のない暑さで熱中症救急搬送車の急増により医療の提供に支障が生じるような状況」医療体制に影響が出るといった厳しい暑さの時に発表されるものになります。発表される基準も変わってきます。

熱中症警戒アラートは「県内いずれかの地点で暑さ指数が33以上」でしたが、今回はさらに上回ります「県内すべての地点で暑さ指数が35以上」になります。

暑さ指数が一つ基準にはなるわけですが、すべての地点で35以上となる暑さの状況のイメージができないのですが。

暑さ指数とは気温や湿度などを基に計算した熱中症の危険性を示す指数になります。気温と湿度が高ければ高いほど暑さ指数も高くなり、熱中症のリスクも高くなるということです。

2023年の夏を振り返ってみます。8月20日が一番暑さ指数が高かった日ですが、それでも江川崎、清水の32.8が一番高かった状況ですので、この15地点すべてで35を超えるということはなかなか考えられにくいことで、なかなか目にすることはない情報となるかもしれません。

熱中症の患者は増えているので、対策は必要となります。発表を受けての対策も決まっています。

熱中症警戒アラートは熱中症の危険に対する「気づき」を促す自助にあたりますが、熱中症特別警戒アラートは自助を原則としますが、共助・公助が加わり、国や地方公共団体なども一緒になって暑さへの対策をしていこうということで、指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)が開放されます。

このクーリングシェルターは市町村が指定するもので、冷房設備があり、極端な高温の発生時に誰でも休息できる施設というものです。

高知県内では四万十市がいち早くこのクーリングシェルターを指定して開放しています。四万十では2023年から、市内45か所でクーリングシェルターを指定しています。

2013年、当時、国内最高の41℃を記録した「アツいまち」として、暑さ対策は全国に先駆けて行ってきていて、クーリングシェルターの指定もその一環です。シェルターの一つが、四万十市役所の1階ロビーです。市民が利用するこのロビーは暑さが厳しくなった時、シェルターとしての役割も担うことになっています。

この取り組みは、行政だけではありません。四万十市では民間の施設でも指定を進めており、例えばこちらの「幡多信用金庫」もシェルターとしての役割を担います。

(四万十市 健康推進課 齋藤慎一さん)
「クーリングシェルターを“避難所”としてでなく、気軽に休憩していただける“スペース”として利用してほしい。熱中症予防の啓発とともにクーリングシェルターについても周知を図っていきたい」

四万十市には、すでに45か所のクーリングシェルターがあるんですね。市内にちりばめることで生活に密着して、いつでも休憩をとることができるようにとの意図で、たくさんの指定暑熱避難施設があるんです。

四万十市役所1階ロビーや幡多信用金庫、郵便局、公民館、図書館など市民の方がいつも利用するようなところを指定しているので、特別警戒アラートが発表されなくても、「ちょっと暑くてきついな、具合が悪いな」となったら気軽にこういった場所に立ち寄って、休憩をして熱中症にかからないように対策をしてもらいたいと思います。

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