今も生きるバンドン精神 植民地主義の根絶掲げる

今も生きるバンドン精神 植民地主義の根絶掲げる

 【新華社ジャカルタ4月24日】インドネシア・バンドンの中心街、アジア・アフリカ通りで今もひときわ目を引く乳白色の3階建ての建物「ムルデカ会館」。オランダの植民地だった1895年に入植者向けの高級クラブとして建てられたこの建物で1955年4月、アジアとアフリカの29カ国・地域の政府代表団によるアジア・アフリカ(AA)会議が行われた。この種の会議が植民地の宗主国の参加なしに開かれるのは初めてだった。

 インドネシア独立後、独立を意味する「ムルデカ」という名をこの建物に付けたのは、スカルノ初代大統領だった。同月18日にこの場所で行われたアジア・アフリカ会議の開会式で、スカルノ氏は「サウス」の国々を代表し「人類史上初の有色人種による大陸間会議だ」「いつ、どこで、どのような形であろうと、植民地主義は悪いものであり、地球上から根絶されなければならない」と高らかな目覚めの声を上げた。

 ムルデカ会館は現在、アジア・アフリカ会議博物館となっている。この会議は、帝国主義と植民地主義への反対を旗印に掲げ、新たに独立した国々に自らの運命を導く能力があることを世界に示した。主権と独立の擁護を強調し、国際関係を処理するための十原則を打ち出し、「連帯、友好、協力」を核とするバンドン精神を提唱、現代の国際関係史にひときわ鮮やかな足跡を残した。

 この会議は新中国による外交のハイライトの一つにもなった。中国が提唱した「平和共存5原則」は最終的にバンドン精神の重要な一部となっている。(記者/陶方偉、叶平凡、鄭世波、王晨笛、劉賛、孫磊、侯鴻博、古魯、瓦揚、李濤)

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