6割が60歳以上、担い手不足が深刻なタクシー業界 札幌のタクシー会社、「マスターズの会」発足…シニア世代が働きやすい職場づくり目指す

担い手不足は、どこの業界も課題ですが、札幌のタクシー会社グループが、この課題解消のためある団体を発足させました。
その名も「マスターズの会」、さて、その狙いは?

札幌のタクシー運転手、奥崎克己さん(65)
「お待たせしましたどうぞ」
「いっときぐっと(気温)上がりましたけど寒くて桜どころではないですね」

札幌のタクシー運転手、奥崎克己さん65歳です。ことしで14年目のベテランです。

札幌のタクシー運転手、奥崎克己さん(65)
「1日がもうあっという間に過ぎてしまう」

第一交通産業グループ北海道地区担当 西本厚三社長
「いきいきと活躍している60歳クラスのドライバー、通称マスターズと名前をつけてこれからもずっと活躍してほしい」

奥崎さんが所属するタクシー会社「第一交通産業グループ」が課題解決のための団体を発足させました。

その名も「マスターズの会」。

60歳以上のドライバーを「マスターズ」と称し、シニア世代が働きやすい仕事場づくりを目指し、新たな人材確保につなげる役割を担ってもらうのです。

「マスターズの会」を立ち上げたのには、60代のドライバーが多く占めるタクシー業界ならではの事情があります。

北海道内のタクシードライバーの推移です。
8年前は約2万人でしたが、今年3月には約1万3千人と約3割減少しています。

一方、60歳以上のドライバーは常に6割を超えています。

奥崎さんも「マスターズの会」のメンバーのひとりです。

札幌のタクシー運転手、奥崎克己さん(65)
「中には人生相談というか…お客さんがこれから結婚したいけどこの彼氏はいいかと言われることもあるけど、それは親身になって答える」

メンバーはタクシードライバーという仕事の魅力などをアピールしました。

ドライバー(62)
「(前職は)自営業だったけど、もともと威張り腐っていたのが、お客様にへこへこするようになったのか『妻に気が長くなったね』と言われる」

タクシー業界の人材不足解消への取り組みに北海道運輸局なども期待を寄せます。

北海道運輸局札幌運輸支局 首席運輸企画専門 經亀真利さん
「タクシーというパーソナルスペースに乗車してもらう中で、接客も経験豊かな高齢者にとって有意義な部分で可能性も確認できた」

「第一交通マスターズの会頑張るぞ!」

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