胃の「だるい」「不快」「痛い」にはココをほぐすだけ! 食事前の1分でできるマッサージ

By FYTTE 編集部

前回、胃の不調に特効薬となる「中脘」(ちゅうかん)のツボをご紹介しました。中脘以外にも、お腹まわりは胃によいツボが集まっています。今回は、この中脘を含むさまざまなツボを刺激できる胃のマッサージをご紹介していきます。六本木・寺林治療院の寺林陽介先生の著書『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』からお伝えします。

お腹には胃にいいツボがたくさん

お腹には「上脘(じょうかん)」「中脘(ちゅうかん)」「下脘(げかん)」という胃の不調に効くツボがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

上脘…上脘はへそから指7本分(中脘から親指1本分)上にあるくぼみの位置にあります。

「食道に対応しているツボで、吐き気や胃酸が戻る感じ、胃酸過多症、胃のもたれなどに効果的です。逆流性食道炎のような症状に悩む人にもオススメしているツボです」(寺林先生)

中脘…へそに小指を当てたとき、親指がくる位置にあります。もっとも有名な胃のツボであり、胃のぜん動運動を助ける、胃を活性化する、食欲を増進させるなどの効果が期待できます。

「胃のだるさ、お腹の張り、消化不良、胃下垂、胃炎など不快な胃の症状全般にオススメ。また、胃の不調からくる全身の張り、肩こり、腰痛にも効果的です」

下脘…下脘はへそから指3本分上に行ったくぼみの位置にあります。
「小腸に対応していて、消化・吸収を助けてくれる大切なツボです。胃から食べものが小腸に落ちていかないことによる、消化不良、お腹の張り、胃の重たさなどに効果的。胃腸が弱いという人は、下脘に強い痛みがある場合も」

以下の基本の胃マッサージを実践するだけで、この3つのツボを刺激できます。上から下までしっかりもみましょう。

胃をグリグリするマッサージ

1)へそに小指を当てる
手を第2関節で曲げ、小指の第1関節をへその上にぴったりのせます。ちょうど中指が下脘に当たります。手をグッと押し入れ、第1関節でグリグリと上下にもんでいきましょう。

(2)上下に動かしながら胸骨までもむ
手を上下に動かしながら、少しずつ上へ上げていきます。お腹の真ん中には中脘、胸骨の下には上脘のツボがあります。人差し指が胸骨に少し当たるくらいまで上へもんでいきましょう。

(3)何度も往復して、しっかり刺激
人差し指が胸骨に当たったら、次はへそに向かってマッサージ。

さらにへそから胸骨の間を、10往復程度を目途に往復していきましょう。下脘、中脘、上脘のツボを一気にもんでいきます。

*内臓に疾患のある人や妊婦は、医師に相談のうえ行ってください。
*効果には個人差があります。

【マッサージのPOINT】
1.マッサージは1回あたり1~2分を目安にしましょう。
2.手の指の第1関節が1cmほど沈むくらいの少し強めの力でマッサージすると、より効果的です。へその上からゆっくり、胸骨に当たるところまでグリグリともみながらマッサージします。
3.上下に10往復程度行うのが理想的ですが、無理のない範囲で行いましょう。マッサージするとお腹がグーッと鳴ることがあります。
4.胃のマッサージは、食事の直前~15分くらい前に行いましょう。特に食事の前後に不調を感じやすい人にオススメです。

〜マッサージのコツは手と指の使い方!〜
ふつうのグーではなく、指の第1関節が体に当たるように握ります。この握り方にすることで、人さし指、中指のいずれかがツボに入りやすくなります。中指が当たり、痛みを感じるところがツボの位置です。ふつうのグーよりも効果的なので、ぜひ覚えてください。

気になるマッサージの効果は?

1.胃の不調にいい!
胃のぜん動運動が活性化、消化不良が改善。お腹が張った感じ、不調、ムカつき、食欲減退など多くの症状が改善します。

2.冷えにも◎
胃をもむことで全身の血流によい影響があります。胃と腸の働きもよくなり、体全身がポカポカと温まります。疲れや冷え、肩こり、腰痛にも効果アリ。

3.腸活にもうれしい効果
胃の動きが活性化するとお通じもよくなります。便秘に悩む人にもオススメ。

おいしいものを食べることは心の栄養でもありますよね。胃がきちんと働くように整えておくことで、胃から始まるさまざまな体の不調を減らすことができるでしょう。

文/庄司真紀

参考書籍/

『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』(アスコム)

著者/寺林陽介

てらばやし・ようすけ 六本木・寺林治療院院長。1996年にあんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師の国家資格を取得し、父の治療院で本格的に修行を開始。24歳のときから1人で治療院を運営。2014年4月、東京都港区六本木に移転し現在に至る。どこに行ってもラクにならなかったという患者ほど違いを実感する「疲れとりマッサージ」を行い、多くの著名人から評判を得ている。著書『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム刊)は35万部のベストセラーになり、テレビ、雑誌など多数のメディアで注目を集めている。

監修/内野勝行

うちの・かつゆき 帝京大学医学部医学科卒業。都内病院の神経内科外来や千葉県の療養型病院副院長を経て現在金町駅前脳神経内科院長。日本神経学会会員。日本内科学会認定医。鍼伮や漢方といった東洋医学も取り入れ、患者さんの体全体の調和がとれるようアドバイスを行っている。著書『記憶力アップ×集中力アップ×認知症予防 1日1杯脳のおそうじスープ』は14万部のベストセラー。テレビ出演多数で、さまざまな医療情報番組の医療監修も務める。

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