死後に不倫を知りました… 父親の不倫相手と顔を合わせた「20代女性の困惑」【前編】

父親が亡くなり、遺品を整理することに

「5年前、私が就職してしばらくしたタイミングで父が亡くなりました。父はもともと持病があり、病院通いをしていたこともあって、亡くなっても失意の底に沈むということはありませんでした。
葬儀が終わり、実家で母と、父の遺品を整理していたときです。父の使っていたスマートフォンがあったので何気なく電源を入れてみました。すると、充電は残り僅かでしたが、開くことができました」

スマホに残された不倫の形跡

「パスワードも設定されていなかったので、そのまま中を覗き、なんとなくメールを開いてみました。すると、知らない女性の名前があったんです。頻繁とまではいきませんが、多くやり取りをしているようでした。メールの内容も、さほど感情が込められたものではありませんでしたが、会っているような形跡はあり、もしかしたら男女の関係のあった人なのかな…という印象を受けました。
私の母は、ヒステリックで口うるさいタイプ。私も衝突することが多く、正直あまり好きではありませんでした。父に対しても邪険に扱っている姿を見ており、たまに可哀そうに思うことも。なので、父にそういう女性がいたとしても仕方ないのかな……と思ってしまって。事実は定かではありませんでしたが、このことは母に伝えず封印することにしました」

2年後に知らない女性からメールが…

「父の死から2年経ったころ、私のSNSのアカウントに知らない女性からDMが届きました。丁寧な挨拶が添えられ、“お父様と親しくさせていただいていた”との内容があり、父のメールの相手の女性だと察しました。
そこで、“お渡ししたいものがある”と言うのです。なんでも、それは父から預かっていたものだそうで、送付でも直接渡すのでも構わないとのこと。父の死から時間も経過していたし、どんな女性かも気になったので、私は直接会って受け取るほうを選びました」

女性から受け取ったもの

「ある駅の近くにあるファミリーレストランで待ち合わせをしました。女性は60代で、名前はサチコさん(仮名)。穏やかな雰囲気の小柄な方でした。
サチコさんは、父から預かっていたものをどうしても私に渡したいと思っていたそう。どうしたらいいのか分からず、知り合いに相談したところ、SNSを通じてメールを送ってみるのはどうかと言われたのだそうです。“遅くなって申し訳ありません”と言われ、そのものを差し出されました。手に乗るくらいの大きさの、包装されたものでした。それは、父が私のために用意した就職祝いのプレゼントでした。こんな経緯で父からのプレゼントを受け取ることになるとは……と、感慨深い気持ちになりましたね」

“父親の死後に不倫を知った女性の告白”をご紹介しました。
まさか父親の死後にそんな事実を知ることになるとは思わなかったはず。時間が経過しているからこそ、冷静に受け止められたのかもしれませんね。

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