【地方競馬】白毛馬アマンテビアンコがダート3歳クラシック第1弾の羽田盃制覇

 羽田盃を制したアマンテビアンコ(右)

 「羽田盃・Jpn1」(24日、大井)

 白毛馬初の快挙だ-。1番人気のアマンテビアンコが歴史的一戦を快勝。重賞初制覇でダート3歳クラシック第一関門をクリアした。2着には紅一点の4番人気アンモシエラが逃げ粘り、そこから8馬身離された3着には最後方から伸びた8番人気の船橋フロインフォッサルが奮闘した。なお、フロインフォッサルを含めた上位3頭の地方所属馬には「東京ダービー・Jpn1」(6月5日・大井)への優先出走権が与えられた。

 発走が近づくにつれて雨脚は勢いを増すが、そんな悪コンディションもお構いなし。雨粒にもきらめくカクテル光線に照らされながら、真っ白な馬体のアマンテビアンコが力強く躍動した。

 白毛馬による初のJpn1制覇(芝では20年阪神JFなどG1を3勝のソダシ)は、今年から生まれ変わった新ダート3冠クラシック制覇。母ユキチャン(Jpn2を1勝、3は2勝)も活躍した大井コースで鮮やかに決めた。ドバイでの落馬負傷で戦列離脱中のルメールに変わって手綱を取った川田は「前回はスタートでつまずいていたので、その辺りに気をつけて。あとはリズムを取って動ける形で進められた」と冷静に勝利の余韻をかみしめた。

 前走は顔が地面につくほど落馬寸前のスタートだったが、今回は無難に発進。レースは内枠から紅一点のアンモシエラが主導権。これにティントレットと発馬で若干遅れを取ったブルーサン。3頭の先行争いを見ながらの絶好位。3角過ぎでブルーサンが脱落し、4角入り口ではティントレットが失速。ライバルはあとは1頭。直線はマッチレースとなり、ラスト100メートル過ぎで外から抜き去ると、最後は1馬身差を付けてメモリアルフィニッシュ。

 昨年暮れの東京大賞典以来のJpn1を11勝目に鞍上は「ゴールまでにはかわせる雰囲気だったし、無理せずつかまえに行こうと思っていた。新しくできたダート3冠。まず一つ取れてうれしい」と満足そう。宮田師も22年JBCスプリント(盛岡)以来の2回目のJpn1を制覇。「注目される馬だし、結果を出せて良かった。新しい歴史に名を刻めてうれしいですね」と喜びをかみしめた。

 次なるターゲットはもちろん東京ダービー。ダート3歳の最高峰へ。“3冠”への挑戦権を得たのはただ1頭。トレーナーは「2冠を取れるよう頑張りたい」とキッパリ。真っ白な馬体にさらに磨きをかけていく覚悟だ。

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