マークシート導入へ 高校入試改善策案

 県立高校入試の採点ミス問題で、神奈川県教育委員会は14日、2017年度の入試から新たに採点済み答案用紙のコピーを全受験者に交付することなどを盛り込んだ再発防止・改善策案を公表した。記述選択式問題にマークシート方式も導入する。今月下旬に開かれる教育委員会で正式に決定する。

 記述式問題の採点・点検方法については、▽受験者の答案をコピーし、複数の教諭がそれぞれ採点・点検して、最後に突き合わせる2系統の採点方式の導入▽合否判定の分岐点付近の受験者の答案用紙の再点検▽採点の基本マニュアルの見直し−を決めた。

 採点・点検に専念できる環境を確保するため、採点日を1日追加。採点・点検をしやすいような解答用紙のレイアウトの見直しも明記した。教職員の研修も実施するとした。

 新たなセーフティーネット策として、合格発表日以降、採点済みの答案用紙の写しを全受験者に速やかに返却。受験者が自己点検できるようにする。

 再発防止・改善策の実効性を確認するため、入試後の検証も行う。県教委が答案用紙の一部を抽出しての再点検や、第三者委員会による検証を検討する。

 今回の採点ミスの調査では、保存期限が過ぎていない答案用紙を誤って廃棄していたことも3校で判明。対策として、保存期間をこれまでの1年から3年に延長することも決めた。

 今年2月の16年度入試で県立高校88校で採点ミスが判明し、影響で2人が不合格になった。15年度入試でも71校でミスがあり、本来は合格していた受験生2人が不合格とされていた。県教委が3月に設置した有識者委員会は、マークシート導入などの再発防止策を桐谷次郎教育長に提言していた。

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