【台湾】工研院がネットゼロ座談会、TSMCなど参加[経済]

工研院は19日、ネットゼロに関するフォーラムを開催し、TSMCの企業環保安全衛生処の孫読文・資深専案経理(右から2人目)らが登壇した(NNA撮影)

台湾政府系研究機関、工業技術研究院(ITRI、工研院)は19日、台北市でネットゼロに関するフォーラムと特別展「ITRI NET ZERO DAY打造浄零時代競争力論壇・特展」を開催した。ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などの関係者が座談会に参加した。

参加企業のネットゼロの取り組みや経験を共有する座談会「布局浄零減タン新商機—産業浄零轉型策略顧問(タン=石へんに炭)」には、工研院の林昭憲・副総兼産業科技国際策略発展所(産科国際所)所長のほか、TSMCの企業環保安全衛生処の孫読文・資深専案経理、台湾通信最大手の中華電信の黄志雄・執行副総経理兼技術長、台湾産業用コンピューター大手の研華(アドバンテック)の林世彰協理、認証機関の台湾徳国莱因の高鴻鈞総経理が登壇した。

孫氏は、ネットゼロに向けた取り組みについて「幹部が支援し、自ら率いることが最も重要だ」との考えを示した。TSMCの環境・社会・企業統治(ESG)指導委員会を紹介し、董事長が管理職と共にESGの行動や戦略、目標を考えていると強調した。さらにESGに対する従業員のアイデアを表彰する取り組みも紹介し、4回目となる23年には寄せられたアイデア数が20年の第1回の約4倍となったことを明らかにした。

黄氏は、「青写真や目標を持つ際には、推進する組織が必要だ」との考えを示し、中華電信には幹部を中心としたネットゼロを推進する組織があることを強調。このほか従業員向けにESGに関する研修を実施していることなども紹介した。

林昭憲氏は、台湾がネットゼロにおいて優位性を発揮するには、技術の研究開発(R&D)が非常に重要だとの考えを示した。特に、台湾が誇る半導体業のネットゼロにおける活用が鍵を握ると強調した。

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