那須焼損2遺体事件、都内の住宅で暴行か 実行役2人、接触疑い

2人の焼損遺体が見つかった遺棄現場。すぐそばに花が手向けられていた=23日午後5時10分、那須町伊王野

 栃木県那須町伊王野の河川敷で16日に男女2人の焼損遺体が見つかった事件で、死体損壊の疑いで逮捕された埼玉県越谷市、建設業の男(25)が車を貸した実行役とみられる2人組が同日未明、東京都内の住宅で被害者と接触した疑いがあることが24日、捜査関係者への取材で分かった。防犯カメラの映像などから判明した。栃木県警と警視庁の合同捜査本部は、被害者が住宅で暴行された可能性があるとみて捜査している。捜査本部は同日、住宅の現場検証を行った。

 また捜査本部は同日、遺体で見つかった女性の身元を東京都千代田区、会社役員の男性=当時(55)=の妻で会社役員の女性=同(56)=と発表した。遺体の手足は結束バンドで縛られた状態で、顔はビニール袋のようなものをかぶせられ粘着テープが何重にも巻かれていた。女性の頭には複数の骨折もあった。

 捜査関係者によると、容疑者の男は遺体発見前日の15日午後9時ごろ、黒の乗用車で都内のコンビニを訪れ、徒歩でやってきた2人組と合流。容疑者の男は同11時ごろに歩いて店を離れ、2人組は同11時半ごろに車で出発した。2人組はこの後、都内の住宅で男性と接触したとみられる。

 実行役とみられる2人組について、容疑者の男は調べに対し「遺体の処理を頼まれ、2人に依頼した」「数回飲んだことがあるが、本名は知らない。あだ名で呼んでいた」などと供述しているという。

 また容疑者の男が出頭前に指示役とされる知人に携帯電話を渡したと供述していることも判明した。「遺体を処理するため、(知人から)ガソリンや粘着テープなどを購入するよう指示された」などと説明した一方、「名前は言えない」などと話しているという。携帯電話は見つかっていない。

 捜査本部は指示役の存在を含め、複数人が事件に関与したとみて調べている。

 捜査本部は死体損壊容疑で容疑者の男を逮捕。氏名不詳者らと共謀し16日未明から朝までの間、那須町伊王野の河川敷で男性と女性の遺体に火を付けて損壊した疑いが持たれている。

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