思い出ストラップ全国から注文続々 「春中ハンド」名物の背番号入りユニホーム 氷見の特殊印刷会社が製作

人気を集める背番号入りユニホームストラップ=氷見市阿尾

  ●第2回大会から継続、福島県開催でも

 能登半島地震の影響で3月に福島県で開催された第19回春の全国中学生ハンドボール選手権(富山新聞社後援)に出場した選手の背番号入りユニホームストラップを、被災した氷見市の特殊印刷会社が製作、提供するプロジェクトを始めた。「春中ハンド」名物のストラップで、氷見開催がなくなり諦めかけていたが、全国から依頼が相次いだ。大会の思い出となる記念グッズを届けようと作業に追われている。

 プロジェクトを始めたのは、氷見市阿尾の特殊印刷会社「トライ・プリント」。毎年3月に氷見市で開催されてきた春中ハンドで、第2回大会から毎回、各校のユニホームのデザインに出場選手の背番号を入れた記念ストラップや、オリジナルTシャツなどを製作し、販売してきた。

 今年は地震の影響で福島開催となり、春中グッズの販売が困難となった。諦めかけていたところ、大会前に全国の選手や保護者らから問い合わせが相次いだ。

 同社は昨秋に稼働した新工場が地震で被災し、3月23~27日に行われた今大会にストラップ製作は間に合わなかったが、会場に前回のサンプルなどを用意して注文を受け付けた。

 大会には45都道府県94チームが出場し、会場で約90件、1件当たり10~30個ほどの注文が入った。大会後も優勝した氷見市西條中男子ハンドボール部など出場した選手や保護者らから追加注文が次々と寄せられ、注文数は30~40件増えた。

 同社の中村豊社長や斎藤隆俊専務は名物のストラップについて「震災で途切れたかなと思ったけれど、途切れず続けさせてもらっている」と話した。

 社員でハンドボール日本リーグ男子・富山ドリームスに所属する庄司清志選手の発案で、プロジェクトを広く知ってもらおうと、6月までクラウドファンディングでも受け付けている。

 自身も春中ハンド出場時に購入した記念のストラップを大切に持ち続けて、日本リーグで活躍する庄司選手は「春中ハンドは現役選手にとっては一生に1回。思い出になるストラップを一人でも多くの人に知ってもらい届けたい」と話した。

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