子どもへ愛感じる100点 県立美術館で「脇田和と佐藤忠良」展

脇田氏の油絵を鑑賞する開会式出席者=金沢市の石川県立美術館

 石川県立美術館の春季企画展「脇田和と佐藤忠良―子どもへのまなざし―」(北國新聞社特別協力)は24日、金沢市の同館で始まり、油絵や銅像、絵本原画、スケッチなど約100点が展示された。来館者は脇田、佐藤両氏の秀作を通じ、2人の子どもへの愛情や敬意を感じ取った。

 脇田氏が加賀藩士の子孫である縁から、同館は2015年に脇田美術館(長野県軽井沢町)から寄贈された作品を含め、同氏の321点を収蔵している。脇田氏は文化功労者の洋画家、佐藤氏は戦後日本を代表する彫刻家として、ともに新制作派協会のメンバーとして活躍し、創作活動で共通点も多いことから企画展が開かれた。

 猫を抱く子どもを穏やかな色彩で描いた油絵、コートのポケットに手を突っ込んでたたずむ子どもの銅像のほか、脇田氏が手掛けた「おだんごぱん」、佐藤氏の「おおきなかぶ」などロングセラーの絵本の原画が並び、美術愛好家が興味深く鑑賞した。

 脇田氏の長男で脇田美術館長の智(さとし)氏が来場し、幼少期の自身が描かれた「子供と兎(うさぎ)と花」の前で「志賀高原で仕留めたウサギを山小屋でつり下げていた」と懐かしんだ。

 会期は5月26日まで。料金は一般千円、大学生は800円で高校生以下無料。

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