【天皇賞】ドゥレッツァ春盾獲りへ向け盤石 栗東滞在効果バッチリ!尾関師「今週のひと追いでさらに良くなる」

 栗東CWで文句なしの動きを披露したドゥレッツァ(撮影・今井雅貴)

 「天皇賞(春)・G1」(28日、京都)

 昨年の菊花賞馬ドゥレッツァが、春の盾獲りへ向けて盤石の態勢を整えた。この中間は栗東に滞在しており、最終リハはCW。雄大なフットワークで滑らかに加速し、好時計をマークして文句なしの仕上がりをアピールした。阪神大賞典の覇者テーオーロイヤルも同じくCWで3頭併せ。遅れはしたものの、鞍上の菱田は合格点を与えた。

 淀の長丁場では負けられない。昨年の菊花賞を圧勝したドゥレッツァは24日、栗東CWで単走追い。序盤は折り合いに専念し、直線で仕掛けられると滑らかに加速。雄大なフットワークで6F81秒9-37秒3-11秒7をマークし、良好な仕上がりをアピールしてみせた。

 美浦から駆け付けた尾関師は「ある程度前半は折り合いをつけて、しまいは強めに伸ばす感じ」と調教の意図を説明。その上で「動きは良かった。持ったまま促すと、少し沈む感じでグッと伸びていたからね」と納得の表情を浮かべた。

 4連勝で挑んだ菊花賞は、同世代のG1馬を寄せ付けず3馬身半差で快勝。4歳初戦となった前走の金鯱賞では2着に敗れたものの、指揮官は「菊花賞後にガクッときたので長く休み、前走は(調子が)戻っている途中だった。調整にも苦労した部分があったし、精神的にも無駄に力んでいた」と、決して力負けではないことを強調する。

 春の大一番へ本調子で臨むため、この中間は初の栗東滞在を選択した。ゴールデンウイークの輸送トラブルを避ける目的もあるが、トレーナーは「使った効果もあって雰囲気も良く、落ち着いている」と新たな環境への対応に目を細める。さらに「使ったことで精神的にもリラックスしてきた。前走より良くなっているし、今週のひと追いでさらに良くなる」と確かな上積みを感じ取る。

 「操縦性の高さと抜群の切れ味がある。菊花賞より距離が200メートル延びるのはプラスかどうか分からないけど、菊花賞馬として頑張ってほしい」。尾関師×戸崎圭のタッグは、19年にグローリーヴェイズでフィエールマンの首差2着。5年前の忘れ物を取りに-その準備は整った。

 恐らく状態面のピークは昨年の菊花賞時。当時がかなり良かっただけに、比べてしまうとやはり迫力に欠ける印象だ。ただ、決して現状が悪いというわけではない。100%だった時と比較して80%程度の動きに映るだけ。滞在先の栗東トレセンの環境にも順応し、最終リハでは折り合いピタリ。タイムも栗東CW6F81秒9-37秒3-11秒7と水準以上のものだった。相手関係も古馬G1にしては比較的楽。この馬の能力値を考えれば、今の状態でも十分に勝負になる。

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