メタ、第2四半期見通し低調 AI投資で費用拡大 株価大幅安

Katie Paul Yuvraj Malik

[24日 ロイター] - 米メタ・プラットフォームズが24日示した第2・四半期の売上高見通しの中央値が市場予想を下回った。人工知能(AI)製品が業績を大きく押し上げるという期待がしぼむ可能性がある。

メタの株価は引け後の取引で約15%下落し、時価総額は約1兆ドルに縮小した。アルファベットも3%、マイクロソフトは2%、エヌビディアが1.4%、アマゾンが2.6%、それぞれ下げた。

第2・四半期の売上高見通しは365億─390億ドルのレンジで、中間値は378億ドルと市場予想の383億ドルを下回った。

同時に、新たなAI製品やそれに絡むインフラ拡充への多額の支出を理由に2024年の費用見通しを変更した。設備投資額見通しは300億─400億ドルとした。従来予想は350億─370憶ドルだった。総費用見通しは960億─990億ドルとした。従来は940億─990億ドルだった。支出は来年も増加し続ける見通しという。

マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会議で「新製品から収益を得るようになる前にAIに注力することで投資は拡大する」と説明した。

インサイダー・インテリジェンスのアナリスト、ジャスミン・エンバーグ氏は「投資家は拡大するAI投資に懐疑的だ。回収に数年かかる投資もある」と指摘。「しかし、メタはAI競争で勝つだろう。同社は既存のアプリを通じて利用者を獲得しており、広告エコシステムを通じた最終的な収益化で優位に立ちそうだ」と語った。

ハーグリーブス・ランズダウンのアナリスト、ソフィー・ルンドイェーツ氏は「メタのAI計画全体にとって、核である広告活動から目を離す余裕はない」と話す。

<第1・四半期アクティブユーザーは7%増>

同時に発表した第1・四半期決算は、売上高が365億ドルで、市場予想の362億ドルとほぼ一致した。

傘下サービスのフェイスブック、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップのいずれかを利用した1日当たりのアクティブユーザー(DAP)は7%増加した。伸びは前四半期の8%増から鈍化した。

メタは今回初めて、ユーザーの伸び率はこのDAP値のみを開示。ここ数年伸びが鈍化しているフェイスブックの数字を今後は開示しないと発表していた。

仮想空間「メタバース」に焦点を当てたリアリティ・ラボ部門の売上高は4億4000万ドルと、市場予想の4億7500万ドルを下回った。

前年比30%増となったものの、21年に部門売上高を開示し始めて以来の第1・四半期平均5億2300万ドルをなお下回っている。同部門の損失額は38億ドルで、23年通年の赤字幅160億ドルに並ぶ勢いだ。

ザッカーバーグ氏は、ビジネスメッセージやカスタマーサポートなどに利用するAIチャットボットに関する収益化プランについても言及した。

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