韓国王者、10人のマリノス相手に猛攻もACL準決勝で敗退。印象的だった指揮官の表情…「とても残念に思う。横浜に賛辞を送りたい」

4月24日に開催されたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準決勝・第2戦で、横浜F・マリノスは蔚山現代と横浜国際総合競技場で対戦。敵地での第1戦は0-1で落としていたなか、3-2で2戦合計3-3とし、PK戦に持ち込んだ末に雨中の激闘を制した。

横浜側が歓喜に花を咲かせる一方で、蔚山側は勝てる試合を落とし、がっくりと肩を落とした。

韓国王者は30分までに3点を奪われた後、36分にCKから1点を返すと、その直後に上島拓巳のハンドでPKを獲得し、2戦合計で同点に追いついたうえ、決定機阻止の上島は一発退場に。数的優位となり、以降押し込み続けたが、相手守護神ポープ・ウィリアムの再三の好守もあり、勝ち越し点は奪えず。最終的にPK戦で力負けした。

ホン・ミョンボ監督は試合後の会見で、次のように敗戦の弁を述べた。

「まず、結果に関してとても残念に思う。そして勝ち進んだ横浜F・マリノスにおめでとうと賛辞を送りたい。今日の試合は前半で失点を重ねてしまった。それでも選手たちは諦めずに戦い続けた。そして相手にレッドカードが出たところもあって、ゴールを狙い続けたが、ゴールが十分に決められずに負けてしまい、とても残念だ」

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連続ゴール挙げる直前の34分、ダリヤン・ボヤニッチを投入した。猛反撃に繋がった、このかなり早いタイミングでの交代に関して問われた際は、こう説明した。

「ボヤニッチは元々後半で投入する予定だったが、若干早まったというところ。彼は途中交代してから、後半を含めて、とても良くプレーしたと思う」

ついに勝ち越しと喜んだのも束の間、オフサイドで取り消されるシーンもあるなど、蔚山にとっては、相当フラストレーションの溜まるヨコハマ決戦となったはずだ。悔しさを必死に押し殺し、何とか冷静さを保とうとする、会見での指揮官の表情が印象的だった。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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