エクイニクス、AI対応データセンター「TY15」を9月に開設

by 三柳 英樹

米Equinix(以下、エクイニクス)は24日、増加するデータセンターおよびインターコネクションへの需要に応えるため、品川キャンパス(港南地区)にInternational Business Exchange(IBX)データセンター「TY15」を9月に開設すると発表した。

TY15は、完全稼働時には首都圏エリアで最大規模の3700キャビネットの収容能力を備え、多様な冷却ニーズに対応するデータセンター。

TY15の外観

TY15は都内最大のネットワークエコシステムを持つTY2に1.5kmと近接し、両データセンターはダイレクトにファイバーで接続されるため、都内最高クラスのネットワークエコシステムのさらなる拡張や活用が可能となる。また、主要クラウドサービスなどに低遅延で接続できるほか、世界に260以上展開しているデータセンターにEquinix Fabricを通じて容易に接続できる。

また、さまざまな企業がAI活用を活発化させる状況において、データガバナンスやデータプライバシー戦略、パブリックAIやプライベートAI導入のための柔軟なマルチクラウド接続環境とワークロードの低遅延の実現、より多くのコンピューティング能力をサポートするための環境を構築していると説明。TY15は、パブリックAIへの接続拠点として、またシームレスに近接したプライベートAIの拠点として活用できるだけでなく、企業のサステナブルなAI導入の成功を支援するデータセンターになるとしている。

AI導入への対応として、TY15では空調設備として高効率空冷チラーを導入し、チラーからCRAH(コンピュータールーム用エアハンドリングユニット)までループ冷水配管システムを構成している。これにより高効率な冷却を実現し、データセンターのPUE(電力使用効率)の効果的な改善を実現するとともに、ループ冷水配管システムを利用することで、液体冷却システム(Liquid Cooling System)への対応が可能になる。

UPS(無停電電源装置)については、大容量UPSかつ高寿命なリチウムイオン電池を採用することで、設備更新サイクルを短縮し、環境負荷低減を図っている。また、既存の国内エクイニクスのデータセンターと同様に、TY15においても100%再生可能エネルギーを達成しており、エクイニクスの温室効果ガスプロトコルの原則に基づく再生可能エネルギー証明書である「グリーンパワーレポート」を活用できる。

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