消滅可能性を指摘された市町、「一喜一憂せずまちづくり」「違い出すの難しい」・・・ 人口減の加速に強まる危機感

中国地方の5県の「消滅可能性自治体」などの分類

 民間組織「人口戦略会議」が24日公表した報告書で、中国地方では中山間地域や島しょ部を中心に36市町が2020~50年の30年間で20~30代の女性が半数以下となる「消滅可能性自治体」と指摘された。該当した市町の首長は人口減の加速に危機感を強めた。広島、島根両県知事からは東京一極集中の是正を求める声も上がった。

 広島県内で若年女性の減少率が最も高かったのは竹原市の65・9%。今栄敏彦市長は「大変厳しい結果で、重く受け止める」と声を落とした。進学や就職に伴う市外への転出に歯止めがかからないのが一因との見方を示し「一喜一憂せず持続可能なまちづくりを進める」と力を込めた。

 14年の前回報告書では消滅可能性ではなかった自治体のうち中国地方では新たに3市町が対象となった。このうち山口県田布施町の東浩二町長は「人口減にはあらがいようがない」と表情を曇らせ、子育て世帯へのサービス向上を進める考えを示した。

 一方で前回は中国地方で62市区町村だった消滅可能性は今回36市町に減った。3町村は若年女性が100年後も多い「自立可能性自治体」、残る68市町村はいずれにも該当しない「その他」だった。消滅可能性から外れた広島県北広島町の箕野博司町長は「子育てや定住など施策の複合的な取り組みの努力が報われたと感じる」と語った。

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