エディオン、21年ぶり社長交代 人口減少や2024年問題・・・次期社長の手腕に注目集まる

エディオン広島本店

 21年ぶりの社長交代を24日発表した家電量販のエディオン(広島市中区)。久保允誉(まさたか)会長兼社長は業界再編を進めるとともに、リフォーム事業への参入や、家具・日用品大手のニトリホールディングス(HD、札幌市)との資本業務提携などで事業領域を広げた。人口減少や、物流業界の人手不足感が強まる「2024年問題」など消費を取り巻く環境が厳しい中、次期社長に内定した高橋浩三取締役専務執行役員の手腕に注目が集まる。

 エディオンの前身の一つである第一産業は1947年設立。ダイイチ、デオデオと名前を変え、中国地方を中心に九州、四国などへ店舗を広げた。中部地方が地盤のエイデン(名古屋市)との持ち株会社として2002年にエディオンが発足。久保氏は03年から社長として経営をけん引し、直営とフランチャイズ合わせてグループで1211店(昨年12月末時点)の全国大手へと成長させた。

 現在、大型再編の動きは落ち着いているものの、ある業界関係者は「人口減少や物価高の中、競争は激しい。利益率の高い家電の販売や物流コストの削減などが求められる」と指摘する。

 エディオンは22年4月にニトリHDと資本業務提携を結び、共同開発した家電を含むプライベートブランド(PB)の商品に注力してきた。オリジナルのラインアップをそろえるだけでなく、販売後のサービスにも注力する。09年に本格参入したリフォーム事業も着実に売り上げを伸ばしている。

 今後の焦点は、インターネット販売の拡大や物流業界の人手不足への対応だ。既存の店舗網を生かしつつ、配送の体制や強みとするアフターサービスを強化する戦略も重要になる。

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