「路地裏の見えない所に」放置自転車“リアルタイム撤去”で最大約4割減も「いたちごっこ」 万博開催1年前で対策強化 大阪市

万博の開幕まで1年を切る中、大阪市が取り組んできた放置自転車対策の効果が24日発表され、放置自転車数が、時間帯で見ると最大4割弱減少していることが分かった。
しかし24日午後、取材班が大阪・ミナミの心斎橋へ向かうと、有料駐輪場のすぐ近くに大量の自転車が止められているなど、「いたちごっこ」な現状が見えてきた。

24日午後1時半ごろ、大阪府の吉村知事は、大阪市の横山市長らと、大阪・関西万博の会場を訪れ、リング状の大屋根を視察した。

2025年4月の万博開幕まで1年を切る中、大きな課題となっているのが、“放置自転車問題”だ。

「近くでトイレだけ借りたくて」自転車を放置

2023年10月に取材した際の心斎橋の様子を見てみると、大量の自転車が放置されていた。

「駐輪禁止マーク」の上にも、堂々と放置されていた。

マナー違反者を直撃すると身勝手な理由を口にした。

ーー今、自転車を歩道上に止められましたよね

自転車を止めた男性:
近くでトイレだけ借りたくて。

ーー放置自転車になってしまうのでは?

自転車を止めた男性:
…そうですね。

新たな対策“リアルタイム撤去”

こうした放置自転車一掃に向け、大阪市が取り入れたのが新たな対策。

以前は、撤去の警告をする「赤い札」を貼り、一定時間の警告放送を行ってから撤去をしていたが、2023年11月から対策を強化。

放置自転車を見つけ次第、即時撤去する「リアルタイム撤去」を試験的にスタートさせた。

24日午後2時、その対策の効果を大阪市と民間団体が発表した。

ミナミまち育てネットワーク 栗原智一さん:
リアルタイム撤去は、みなさんの情報発信のおかげもありまして放置自転車の台数自体は減少している。

リアルタイム撤去を始めてから、放置自転車は平均で1割減少。休日の午前9時台には最大38%減少したという。

ミナミまち育てネットワーク 栗原智一さん:
ただ残念なことに、夕方以降っていうのは若干まだ増加傾向にあって、このあたりは大きな課題を感じている。

24日、心斎橋の大通りでは、放置自転車が少なくなっている場所もみられた。

街行く50代の男性は、「最近やっぱりちょっと減りましたね。多少減りました。でもやっぱり見えないところに置いている…路地裏とか」という。

その言葉通り、通りを1本外れると、多くの放置自転車があった。

裏通りでは、空き店舗の前や、駐輪禁止の表示板近くに多くの放置自転車がずらりと並んでいる。

放置自転車は夕方以降に増加しているということで、大阪市は夜間も撤去を行うなど、さらなる対策を行いたい考えだ。
(「イット!」4月24日放送より)

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