木村拓哉×天海祐希が夫婦役に 松たか子、綾瀬はるか、最高の“キムタクヒロイン“は?

木村拓哉が主演を務める『Believe-君にかける橋-』が、4月25日よりテレビ朝日系でスタートする。

本作は、橋づくりに情熱を燃やす大手ゼネコン「帝和建設」の土木設計部長・狩山陸(木村拓哉)が“刑務所に収容される”という思わぬ困難に見舞われながらも、決して諦めることなく希望と再生の道を模索する壮大な物語。脚本を井上由美子、監督を常廣丈太が務め、木村が主演を務めた『BG~身辺警護人~』シリーズを手掛けたチームが再集結した。

狩山は、東京都が心血を注ぐ一大プロジェクトである「龍神大橋」の建設に従事し、多くの人の夢を乗せた橋を完成させるため、数年にわたって奮闘の日々を送ってきた。ところがある日、龍神大橋の建設現場で、大人数を巻き込む事故が発生してしまう。万全の注意を払って橋を設計したはずなのに、起こってしまった大惨事に狩山は言葉を失う。さらに、すれ違い、距離が生まれてしまっていた狩山と妻・玲子(天海祐希)にも想像を絶する非情な運命が襲いかかろうとしていた。

木村と天海祐希は意外にも本作が初共演。そんなふたりが夫婦役を演じることが大きな話題となっている。木村はこれまで数々のドラマや映画に主演しており、作品ごとにさまざまな俳優が彼の相手役を務めてきた。

木村がピアニストの瀬名秀俊を演じたことで、ピアノを習い始める男性が増えるなど「ロンバケ現象」と言われる社会現象を巻き起こした『ロングバケーション』(1996年/フジテレビ系)。同作で結婚式当日に婚約者が失踪してしまい、そのルームメイトだった瀬名とやむを得ず同居することになるのが、山口智子が演じた葉山南である。ひょんなことから一つ屋根の下で暮らすことになった秀俊と南は、のちに恋愛関係へと発展していく。

南はサバサバしており非常に明るい性格だが、時々余計なひと言を言ってしまう時があり、瀬名も陽気だが時々デリカシーのない発言をして他人を少しイラっとさせることがあった。だからふたりはいつも小競り合いが絶えない“ケンカップル”。真に打ち解け合うにも、互いの気持ちをちゃんと確認し合うのにも何かと言い争いをしていた。でも、それくらいぽんぽんと会話できるのも相性のいい証拠。名作と言われる『ロングバケーション』とともに、木村×山口コンビの自然体な名演技も語り継がれるものとなっている。

一方、『MR.BRAIN』(2009年/TBS系)のヒロイン役を演じたのが綾瀬はるかだ。木村は元ホストの脳科学者・九十九龍介を演じ、綾瀬はその助手、由里和音を演じている。和音は異動先にいた九十九に一目惚れするが、最初は彼の変人ぶりや突飛な言動に戸惑ってしまう。さらに単純な性格を利用され、九十九に実験台扱いされ、翻弄されたりいじられたりしている時もあった。だが助手としての自覚を持ち、いつも九十九をしっかりとサポート。九十九は、そんな和音の姿を好意的に感じており、最終的に上司である九十九を叱責するなど人として成長した和音に「あなたは信頼できる最高の助手」と彼なりの賛辞を贈っていた。一般的なラブストーリーとは少し異なった愛の形を木村×綾瀬コンビは巧みに表現している。

そして忘れてはならないのが、連続ドラマのあと特別編や劇場版も制作された『HERO』シリーズで、ヒロイン・雨宮舞子を演じた松たか子だ。木村はラフなジーンズにダウンジャケット姿という型破りな検察官・久利生公平を演じた。自由奔放な久利生と生真面目な舞子は、なんだかんだ言い合いながらも次第にいいバディとなり、次々と事件を解決していった。舞子は行動をともにするうちに久利生を男性として意識するようになり、久利生もまんざらではなくなってくるのだが、作中では恋愛関係にあることを明言せず、あっても匂わせる程度であった。だが、それも久利生と舞子らしい。木村×松コンビの“息ぴったりさ”はピカイチ。だからこそドラマの中では恋愛関係をも超える、互いに特別な関係であってほしいと思ってしまうのだ。

『Believe-君にかける橋-』で天海が演じる玲子は大病院の看護師長。その役職をみれば仕事に並々ならぬ情熱を傾ける狩山と同じく、玲子も看護師として日々、奮闘してきたことが窺える。バリバリ仕事をしてきたやり手同士の木村×天海コンビは、どのような夫婦となり、襲いかかってくる苦難を乗り越えるのだろう。ふたりの関係性も見どころのひとつとして楽しみにしていたい。
(文=久保田ひかる)

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