「半額」でタクシーを利用できる!? 多くの自治体で導入されて話題の「AIあいのりタクシー」とは?

AIあいのりタクシーとは

AIあいのりタクシーとは、AIを活用し、通常よりも安い価格で運行を実現した乗り合いタクシーのことを指します。
AIあいのりタクシーの利用には、まず出発地と目的地を設定するなどの事前予約が必要です。
その際AIは、寄せられた複数の予約の出発地・目的地を効率よく回れるよう、適したルートを算出します。
タクシーはAIが算出したルート通りに、効率よく複数人を乗せながら運行するという仕組みです。

例えば、A地点からC地点へ向かいたい人と、A地点からB地点へ向かいたい人の両者から予約があったとします。
AIは瞬時に「A地点からC地点へ、B地点を経由して向かうルート」を算出します。
タクシーは、そのルートに沿って「A地点からC地点へ」と「A地点からB地点へ」の2回分、利用客を乗せられるというわけです。
前述は簡単な例ですが、実際には複数の場所から多数の予約が届きます。
そのため、ルートの算出にAIが活用されています。

AIあいのりタクシーは一般のタクシーより安いのか?

AIあいのりタクシーは他人と乗り合うことが前提とされているため、一般のタクシー料金よりも安くなるケースが多いようです。
国土交通省の利用イメージでも、AIあいのりタクシーでは原則として、あいのりした乗客で乗車距離に応じた運賃を按分することをルールとしています。
一般のタクシーでは1人で全て負担していた金額を、AIあいのりタクシーでは複数人で割って負担できるため、一般のタクシーよりも安くなる可能性があります。

前述を例とすると、A地点からB地点を経由してC地点まで行く場合(同じ地点から相乗りするケース)の乗車賃が5000円、総距離は15キロメートルだったとします。
1人目はA地点からC地点までの15キロメートルを乗車し、2人目はA地点からB地点までの10キロメートルを乗車したと仮定しましょう。
AIあいのりタクシーでは、運転距離を2人が移動した合計15キロメートル+10キロメートル=25キロメートルとして運賃を算出し、運賃を按分します。
つまり、25キロメートル分の乗車賃が5000円となります。
結果1キロメートル分の乗車賃は200円となり、これを基準として実際に移動した分の乗車賃を計算します。

よって、1人目の乗車賃は200円×15キロメートル=3000円、2人目の乗車賃200円×10キロメートル=2000円です。
A地点からB地点を経由してC地点まで行く場合の運賃を比較すると、一般タクシーでは5000円、AIあいのりタクシーでは3000円となります。
結果、B地点を経由することを前提とすると、一般のタクシーに一人で乗車する場合より2000円ほど安くなるということです。

AIあいのりタクシーの利用方法

運行区域によって異なる場合もありますが、AIあいのりタクシーの基本的な利用方法は以下の手順です。

__●ウェブや電話から、乗降場所や希望時間、乗車人数を伝えてタクシーを予約する
●利用可能な時間と利用料金を案内されるため、問題なければ予約を確定する
●指定された時間に、指定された場所でタクシーに乗車する
●降車時に利用料金を支払う__

AIあいのりタクシーを運営している団体によって、予約方法や利用料金などが異なる可能性があります。
利用前に確認しておくといいでしょう。

AIあいのりタクシーを利用する際の注意点

便利で安価なAIあいのりタクシーですが、注意点もあります。
主なものは、以下の通りです。

__●乗り合いタクシーのため、他人と同乗する場合がある
●利用するためには、事前に必ず予約が必要(手を挙げてタクシーを呼び止める、などは不可)
●往復利用の場合も、往路と復路でそれぞれ予約が必要
●乗車後の目的地の変更や途中下車は原則不可(途中下車の場合、料金変更や返金は不可)
●AIで算出されたルートで運行するため、場合によっては遠回りになったり、希望の時間に出発や到着ができなかったりすることがある
●運行区域や運行時間が制限されている場合がある
●乗り合いの状況により、往路と復路のルートが変わることがある__

注意事項は会社によって異なります。AIあいのりタクシーを利用する際には、事前に注意事項も確認しておきましょう。

タクシー代を節約するならAIあいのりタクシーがおすすめ

AIあいのりタクシーは、他人と乗り合うことを前提として利用料金をおさえた、お得なタクシーです。
一方、ルートの算出にAIを活用しているため、事前予約が必須であることなどの制限もあります。
しかし、通常のタクシー料金のおよそ半額で利用できることはメリットだといえます。
注意点を踏まえたうえで活用すれば、節約にもつなげられるでしょう。

出典

国土交通省 新たにタクシーの「相乗りサービス」制度を導入します!~タクシーを割安に利用することが期待されます~

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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