重い 高い 検索も使いにくいメールを企業の 6 割が使う理由

メール環境についての不満(「Microsoft 365」と「その他のクラウドメール」の比較)

サイバーソリューションズ株式会社は4月23日、「企業のメールセキュリティへの取り組みに関するアンケート調査」の結果を発表した。同調査は2024年1月15日から17日に、全国の従業員300名以上の企業に勤務する合計1,035名を対象に行ったアンケートの結果をまとめたもの。

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システム担当者のみを対象に勤務先のメール環境について尋ねたところ、クラウドが79.4%、オンプレミスが20.6%で、具体的なメール環境としては「Microsoft 365」が全体の60.8%と過半数を占めた。メール環境の「Microsoft 365」の導入率は、全体では60.8%であったが、従業員300人~999人の企業では54.1%、従業員1,000人~4,999人の企業では61.7%、従業員5,000人以上の企業では68.8%と、企業規模が大きいほど導入率が高いことが判明した。

勤務先のメール環境の不満要素を尋ねたところ、「Microsoft 365」の不満点として挙げられたのは、「動作が重い」がその他のクラウドメールの9.5%に対し22.2%と12.7ポイント多く、「価格が高い」がその他のクラウドメールの13.1%に対し18.9%と5.8ポイント多い結果となった。

反対に、その他のクラウドメールと比べ「Microsoft 365」の不満が少ないのは、「迷惑メールフィルターが正確でない」の9.8%(その他クラウドメールは17.5%)と「メール機能が分かりにくい」の11.3%(その他クラウドメールは16.1%)で、同調査では「『Microsoft 365』の『迷惑メールフィルターの正確さ』と『メール機能の分かりやすさ』は相対的に高評価だと言え」るとしている。また、「運用管理の繁雑さ(運用・管理が大変である)」「障害発生の頻度(障害発生が多い)」などの項目でもその他クラウドメールより不満が少なく(= 満足度が高い)、これらが総合評価されることで、「動作が重く」「料金が高価」で「検索がイケていない」にも関わらず「Microsoft 365」が使われる理由となっていると推定される。

Microsoft 365を導入している企業のシステム担当者のみを対象に、勤務先のMicrosoft 365プラン契約について尋ねたところ、「Microsoft 365 Business Premium」が36.0%で最多となり、「Microsoft 365 Business Standard」が19.7%、「Microsoft 365 E3」が18.0%と続いた。

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