大相撲水戸場所 本番控え「呼び出し」が俵作り、光る職人技 茨城

稲わらで編んだ俵に土を詰め、形を整える呼び出しの禄郎さん(左)と重太郎さん=水戸市緑町

茨城県水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで26日開かれる大相撲水戸場所を前に、興行を支える職人「呼び出し」が24日、一足先に現地入りし、本番の土俵で使う俵作りにいそしんだ。

巡業の土俵は手作業で1日がかりで築き、俵も新しく作り替える。円形に並べる「勝負俵」20本と、円の外側にずらして配置する「徳俵」4本が必要。この日は、禄郎さんと悟さん、重太郎さんの呼び出し3人が約1時間かけて製作した。

俵作りは、舟形に編んだ稲わらの中に土俵と同じ土を詰め、たたき固めて成形し荒縄で縛って完成させる。成形では、バーテンダーのパフォーマンス時に使われる「フレアボトル」と呼ばれる瓶を使用。本場所ではビール瓶で成形するという。禄郎さんは「移動を伴う巡業は丈夫なボトルが重宝する」と話した。

俵の重さは1本10キロ近くあり、力士の力強い踏ん張りをしっかり受け止めることができる。3人は「力士が転ばないようきつく縛り、癖のない真っすぐな俵を作ることが大事」と声をそろえた。

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